アファーマティブ・アクション(アメリカ合衆国)
出典: Jinkawiki
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アファーマティブアクションとは、様々な面において弱者集団、マイノリティ集団となる人々の不利な状態に対して歴史的経緯や社会環境を考慮した上で是正するための措置のことである。具体的には民族や人種による差別や、貧困による差別を受けている集団の進学や就職、職場における昇進の場面においての特別な採用枠の設置や試験点数の割り増しなどの優遇措置が挙げられる。
アファーマティブアクションの導入
アメリカでは、1930年代から労働者などの弱者集団への救済策講じられており、これらがアファーマティブアクションの先駆けとなる。そして1960年代に入ると、50年代からの南部黒人公民権運動などの後押しもあり、不平等構造を積極的に是正し、機会均等を実現・保障しようとする措置として、世界で最初に導入された。人種差別等により教育の機会を奪われ、貧困に追いやられてきた黒人やラテン系の人々は学力が低く、進学率や就職率が非常に悪かった。これらのマイノリティ集団に対して、教育の機会を均等に与えるべく、高等教育への入学における、合格基準点の引き下げといった優遇措置を講じた。アファーマティブアクションが行われるきっかけとなったのは差別であったが、白人に属さず黒人やラテン系と同じく本来は差別される側にあるアジア系の人々大学入学における優遇措置の対象からはずされていた。
アファーマティブアクションへの批判
しかし近年では、アファーマティブアクション の理念と施策が後退・低迷しており、最高裁判所による厳格審査の実施、政府の意見書の提出など、懐疑的・否定的な見方や方針が目立つようになっている。また、2006 年 11 月のカリフォルニア州に始まり、ワシントン州やミシカン州でも、アファーマティブアクションの是非を問う住民投票が行われ、州内での措置の全面廃止を決定している。能力至上主義とも言える風潮が強まる中で、アメリカではアファーマティブアクションが、個人の持っている能力によって地位が決まり、能力の高い者が統治するという現在の社会の仕組みに反しているとみなす動きが強まっている。