総力戦と扇動
出典: Jinkawiki
2013年7月21日 (日) 01:04 の版; 最新版を表示
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第一次世界大戦において、武器の進化は予想もつかない塹壕戦をもたらした。戦争は「総力戦」となり、勝敗は個々の戦場での戦術ではなく全体的戦略と国力が決定することになった、戦場はひたすら生命と物資が尽きたほうが敗北なる。総力戦は国民の合意・了解なくしては成立しない。徴兵制により大量の「国民軍」が生み出された。大衆社会を背景に国民の世論を国家が誘導するために政治宣伝・扇動の技術がますます向上し、愛国高揚・戦意高揚のためのポスター・写真・映画が効果的に使用された。また、総力戦で兵士としての男性だけでなく、「銃後」を支える存在として女性が注目され男性の代わりの労働力となった。ここに国民の熱狂に支えられ国家のすべての人材と資源を注ぎ込む総力戦が成立した。そのことは女性の能力が男性と同等であることを証明し、戦後女性が参政権を獲得し、社会に進出するきっかけとなった。このことによって、20世紀は「女性の時代」となったのではないか。
森田一義
参考文献
柴田三千雄/弓削達/辛島昇/斯波義信/木谷勤/近藤和彦/石橋崇雄/大津留厚/高山博/中野隆生/林佳世子(2012)『新世界史 改訂版』山川出版社
桃木 至朗 (監修), 帝国書院編集部 (編集), 川北 稔.新世界史図説タペストリー 七訂版 [大型本]