リサイクル3
出典: Jinkawiki
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リサイクルとは
資源の節約や環境汚染防止などのために、不用品・廃棄物を再度有効活用することをいう。主にリサイクルの対象となるものは、紙類・アルミニウム・ガラス・プラスチック・鉄・銅・食品廃棄物・自動車・家電製品などが挙げられる。
リサイクルを行う理由
リサイクルは、資源やエネルギーの価格に比べて人件費が安い国では、当たり前に行われる経済行為であった。そのリサイクルが盛んに行われるようになった理由として、1992年のリオデジャネイロ「地球サミッド」で、地球環境問題が浮き彫りにされたこと。すなわち、地球温暖化や、資源・エネルギーがいずれ枯渇することを含め、地球には限界があることが広く認知されるようになったためである。そして、資源枯渇を先送りする道として、リサイクルの重要性が認識されるようになった。 しかし、日本がリサイクルを盛んに行う理由となったものは別にある。それは廃棄処理問題、特に最終処分地(ゴミ捨て場)の不足問題である。日本は一般廃棄物よりも産業廃棄物の最終処分の状況が悪く、不法投棄なども行われていた。だが、不法投棄の法規制が大変厳しくなったこと、加えて最終処分費が高くなったことから、廃棄物のリサイクル・再利用を徹底的に行うようになった。
リサイクルに関する法の枠組みの歴史
・1991年4月 「再生資源の利用の促進に関する法律(通称:リサイクル法)」制定
・1992年 「産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律」制定
・1993年11月 「環境基本法」公布・施行
・1995年 「容器包装に係る分離収集及び再商品化の促進等に関する法律(通称:容器包装リサイクル法)」制定・公布
・1997年 「容器包装リサイクル法」施行
・1998年6月 「特定家庭用機器再商品化法案(通称:家電リサイクル法)」公布
・2000年6月 「循環型社会形成推進基本法」公布
・2000年5月 「建築工事に係る資材の再資源化等に関する法律(通称:建築リサイクル法)」公布(2002年5月30日から施行)
・2000年6月 「食品循環資源の再利用等の促進に関する法律(通称:食品リサイクル法)」公布(2001年5月1日から施行)
・2001年4月1日 「リサイクル法」改正
「資源有効利用促進法(通称:改正リサイクル法)」として施行
・2002年7月 「使用済自動車の再資源化等に関する法律(通称:自動車リサイクル法)」成立(2004年から施行と思われるが、2002年からフロンの回収が始まっている)
リサイクルの問題点
リサイクルが原因で起きた騒動として、1994年6月にベルギーで起きたダイオキシン騒ぎがある。養鶏場の鶏が次々と死に、調査したところ飼料がPCBに汚染されていたというものである。この騒動の原因は、当時ベルギーは廃食用油を貯めて飼料にしていたのだが、その油を運ぶ車が直前に何か機械油を輸送し、その機械油がPCBに汚染されていたためである。とされている。このように、リサイクルは間接的なものが原因となって環境や生物に被害を及ぼす、というリスクを伴っている。 また、リサイクルされるからといってその製品を買うことに拍車がかかり、結局は環境破壊に繋がる、プラスチックはいくらリサイクルしても結局は燃やせば有害ガスが出る、紙のリサイクルはユーカリ植林やODAによって阻害されるが、だからといってゴミを燃やすとダイオキシンが出る、といったような根本的・体系的な解決に行きついていない点も多く存在する。
伊藤吉徳 1993 間違いだらけのリサイクル 日本経済通信社
安井至 2003 リサイクル 回るカラクリ止まる理由 日本評論社
oky