朝鮮学校
出典: Jinkawiki
←前の版 | 次の版→
正式には朝鮮民族学校という。日本で生活している朝鮮民族の子どもたちが通う学校のことを指す。授業では朝鮮語を用い、在日朝鮮人が教師となって各教育段階の普通教育や一般教育が行われている。朝鮮学校の子どもであるないにかかわらず、この朝鮮民族の子どもたちは在日二世以降の子どもで、生まれてからずっと日本で暮らしている。そのため、朝鮮語より日本語の方が得意なのである。そんな子どもたちから失われつつある母国語の朝鮮語を身につけてもらうためにこの学校がつくられた。下から初級・中級・高級・大学と日本の学校と似たような教育体系になっている。外国人学校の一例である。
始まりは1945年8月にさかのぼる。それ以前、朝鮮は日本の植民地支配をうけていて、そこで暮らしていた朝鮮人の中には日本に渡り在住する人もいた。こういった人たちやその子孫のことを在日朝鮮人という。しかし、この時に朝鮮解放が出された。その後から、日本にいた朝鮮人が自分の子どもたちに朝鮮に帰る準備として、今まで教えられなかった朝鮮語を教える「国語講習所」というかたちで始まった。そしてそういった子どもが全国に多くいたので、朝鮮学校も全国に設立されていった。こうして2010年4月現在、その数は99校になっている。
ただ、2010年から日本で実施されている高校無償化法で朝鮮学校が問題になっている。この法律は公立高等学校にかかる授業料の不徴収及び高等学校等就学資金の支給に関するものだ。この法律では朝鮮学校が適用されていないことが問題になっている。当事者の朝鮮学校の生徒やその保護者からは、同じ日本にいるのだから「教育を受ける権利」があるはずだということで適用を求めている。日本人の中でも、「日本国内で教育を受けたいのであれば国籍や学校の違いでそのチャンスを消してはならず、何より子どもたちに非はない」や「在日朝鮮人の人たちも日本人と同じよう税金を納めているから、社会保障と同じように還元しなくては差別になってしまう」などといった賛成の意見もある。しかし、「拉致問題や北朝鮮への制裁を踏まえて考えると朝鮮学校を無償化の対象から除外した方がいい」や「国民の税金からなる朝鮮学校への無償化のお金が北朝鮮に渡り、核開発に使われる可能性があるのではないかという反対の意見も上がっている。この反対の意見は朝鮮学校という名前で北朝鮮を連想してしまう見方があるためだ。
参考文献
1.ウリハッキョをつづる会著 2001 「朝鮮学校ってどんなとこ?」 社会評論社
2.朴三石著 2011 「教育を受ける権利と朝鮮学校 高校無償化問題から見えてきたこと」 日本評論社
K-O