日本銀行2

出典: Jinkawiki

2013年8月7日 (水) 01:25 の版; 最新版を表示
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目次

概要

 国の立場から金融をおこなう銀行を中央銀行という。日本の中央銀行は、日本銀行である。  日本銀行は、「発券銀行」として、一万円札や千円札などの紙幣(銀行券)を発券する。 また、「銀行の銀行」として、民間の金融機関に資金の貸し付けをしたりするほか、 「政治の銀行」として政府の資金の出し入れをおこなっている。 このほか日本銀行は、金融市場での金利の調整を通じて景気や物価の安定を図る金融政策をおこなっている。

金融政策の概要

日本銀行はわが国の中央銀行として、物価の安定のために、金融政策の決定と実行に当たっている。 ここでいう物価とは、モノやサービスの価格を全体としてとらえたものである。 物価が安定していて、お金を安心して使うことができるということは、あらゆる経済活動や国民経済の基盤である。 金融政策とは、公開市場操作(オペレーション)などの手段を用いて、金融市場における金利の形成に影響を及ぼし、通貨および金融の調節を行うことだ。 金融政策運営の基本方針は、日本銀行政策委員会の「金融政策決定会合」とよばれる会合で決定する。会合では、金融経済情勢に関する検討を行うとともに、金融市場調節方針や当面の金融政策の運営方針を決定し、決定した内容は直ちに公表している。ここで決定された金融市場調節方針に従って、日本銀行では日々の金融調節の金額や方法を決定し、資金の供給や吸収を行っている。


金融政策(具体的)

 日本銀行がおこなう金融政策の代表的な手段は、公開市場操作(オープン・マーケット・オペレーション)である。 これは、日本銀行が民間の金融機関に対して、手もちの国債や手形などの有価証券を売って(売りオペレーション)金融市場の 資金量を抑えたり、有価証券を買って(買いオペレーション)金融市場の資金量を増やしたりして金利を調整する政策である。 この政策によって金融市場が資金を融通しあう短期金融市場(コール市場)の金利(無担保コールレート)を誘導する。 この金利が、金融機関が企業に資金を貸し出す際の金利などに波及し、経済活動全体にその影響が及んでいくのである。  かつては、公定歩合操作が中心的な金融政策であった。 これは、日本銀行が民間の金融機関に資金を貸し出す際の利子率(公定歩合)を上げ下げすることを通じて、 民間の資金需要に影響を与え、資金量を調節する政策である。 しかし金利の自由化によって、公定歩合と金融機関の金利が直接的には連動しなくなったため、 現在、公定歩合は政策金利としての意味を持たなくなっている。 また、預金準備率操作(支払準備率操作)も1991年10月以降行われていない。

金融システムの安定の概要

「お金」は、人々の経済活動にとって、なくてはならない大事な役割を果たしている。「お金」の受け払いや貸し借りを行うしくみは、全体として「金融システム」と呼ばれており、さまざまな金融市場や多数の金融機関から成り立っている。  「金融システムの安定」とは、金融システムが正常に機能し、企業や国民の皆さんなどの利用者が安心して使用できる状態にあることをいう。金融システムの安定を図ることが物価の安定と並ぶ日本銀行の目的である。  日本銀行は金融システムの安定のために、考査やオフサイト・モニタリング、「最後の貸し手」としての資金供給などを行っている。


参考文献

新版 現代社会 日本銀行 ホームページ


  人間科学大事典

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