京都議定書12

出典: Jinkawiki

2013年8月7日 (水) 08:40 の版; 最新版を表示
←前の版 | 次の版→

目次

京都議定書

1997年京都市で開催された気候変動枠組条約第3回締結国会議 COP3(温暖化防止京都会議)で採択され、2005年に発行された議定書が京都議定書である。 京都議定書は、1992年「国連気候変動枠組み条約」の目的や原則を踏まえて、地球温暖化を防ぐため、先進国に対し、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量削減目標や達成期限を定めた国際協定である。 対象のガスは二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素(一酸化二窒素)、ハイドロフルオロカーボン HFC(フルオロカーボン)、パーフルオロカーボン PFC、六フッ化硫黄 SF6(フッ化硫黄)の6種類。
削減目標は、2008年から12年までの間に先進国全体で1990年比5パーセントを削減すること。HFC、PFC、SF6については1995年比5パーセントの削減でも可とされている。また議定書では、欧州連合15カ国に-8%、アメリカ合衆国に-7%、カナダ、ハンガリー、日本、ポーランドに-6%、クロアチアに-5%、ニュージーランド、ロシア、ウクライナに0%、ノルウェーに+1%、オーストラリアに+8%、アイスランドに+10%の割当量を超えないよう削減することを求めている。 京都議定書の発効条件には(1)55カ国以上の国が締結(2)締結した国のうちの先進国の、1990年の二酸化炭素排出量の合計が、先進国全体の排出量の55%を超える、というものがあった。世界第2位の温室効果ガス排出国であるアメリカ合衆国は自国の経済事情から締結を見送っており、経済発展から多量の二酸化炭素を排出せねばならない発展途上国の自発的参加が見送られ、またロシア連邦も受け入れの判断を見送っていたため(2)の条件が満たせず、長い間京都議定書は発効がされていない状況だった。2004年にロシア連邦が批准し、2005年2月16日に発行した。

京都メカニズム

国内の削減努力だけで削減目標を達成することが難しい場合、市場メカニズムを活用して温暖化ガスの排出を相殺できるシステム。
(1) 国際排出量取引
先進国の間で排出割当量の一部を取引することができる。そのうちCDM、JIに関しては民間企業が実施した場合、その実施事業者が、獲得した排出権を自由に取引することができる。
(2) クリーン開発メカニズム(CDM)
先進国、途上国が共同で排出削減・吸収プロジェクトを途上国で行い、先進国が排出削減量を得ることができる。
(3) 共同実施(JI)
先進国同士が共同で排出削減・吸収プロジェクトを一方の国で行い、排出削減量を得ることができる。

京都議定書の議論・問題点

京都議定書の締約が行われた当時に開発途上国とみなされていた中国・インドなどがその後目覚ましい経済発展を遂げている。しかし非効率的なエネルギー政策を続け大量に温室効果ガスを発生させ世界有数の排出国となっているにもかかわらず、二酸化炭素排出量を減らす努力義務を追っていないことが問題視されている。また政治的問題としてはアメリカ合衆国が参加していないことがあげられる。国際排出量取引などにより自国自身で二酸化炭素の排出量を削減する努力を行わなくてよいルールにも問題があるといえる。

京都議定書延長

2011年11月28日から12月11日に京都議定書以降の地球温暖化対策枠組み(ポスト京都)を話し合う、国際気候変動枠組み条約第17回会議(COP17)が開催された。京都議定書の延長を求める開発途上国と、アメリカや中国などすべての国が参加する新たな枠組みを求める先進国との対立により、予定の会期を延長するという異例の展開の末、新ルールはまとまらず京都議定書延長(2013~17年)が採択された。
日本はCOP17で京都議定書の延長の拒否を主張したため、日本は2013年以降、京都議定書から脱退する。2013年から日本は自主的な温室効果ガス削減に取り組むこととなる。


参考文献

読売新聞 2011年12月11日付 「COP17紛糾・中断 繰り返し」
経済産業省HP 「京都メカニズムの概要」
ブリタニカ国際百科事典

rusy


  人間科学大事典

    ---50音の分類リンク---
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                          
                  
          

  構成