アドルフ・ヒトラー
出典: Jinkawiki
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歴史
アドルフ・ヒトラーはドイツの軍人、政治家で、彼は民主的に選ばれた政治家ではあるが、独裁者の典型として知られる。彼を模倣した独裁者は数多い。 オーストリア=ハンガリー二重帝国とドイツの国境の町、ブラウナウ・アム・インにて税関吏アロイス・ヒトラーと母クララ・ヒトラーの子として1889年4月20日誕生。母クララはアロイスにとっては3番目の妻であった。アドルフという名前は「高貴な狼」を意味する。 父アロイス・ヒトラーは苦学して税関吏になった努力家で、ヒトラーに対して厳格な教育を施した。子供がいうことをきかなければ容赦なく鞭を振るったという。他方、母のクララ・ヒトラーは慈愛に満ちた美しい女性で、ヒトラーを溺愛した。彼女は1907年に乳がんで亡くなるが、当時18歳だったヒトラーは母の死に大変な衝撃を受けたという。クララを看護した医師はユダヤ人であったが、後にヒトラーはユダヤ人迫害が激化する中、そのユダヤ人医師をアメリカに亡命させた。絵がうまく、画家志望であったが、大学入試に失敗。しかし大変な読書家で、図書館にあししげく通っていたという。その後、オーストリア=ハンガリー帝国の兵役を逃れるためにバイエルンに移住。が、第一次世界大戦が勃発すると、大ドイツ主義に心酔していたヒトラーは愛国心に燃え、わざわざバイエルン王に手紙を書いて入営を嘆願。国籍が違うにもかかわらず(1925年まではオーストリア国籍)ドイツ軍(バイエルン軍)に従軍。伝令兵として一兵卒としては異例の一級鉄十字章を受勲するなど大活躍するが、毒ガスにより負傷し、敗戦時は病床にあった。ヒトラーはドイツ革命がドイツ帝国敗戦の原因となったと考えており、共産主義者に対する憎悪を募らせた。また、戦後ドイツに課せられた膨大な賠償金、領土の割譲、国防軍の縮小などドイツにとって苛烈を極めたヴェルサイユ条約体制に対する憤怒も彼の活力となった。戦後はドイツ国防軍のスパイとして社会主義運動を監視する活動に従事するも、諜報活動で潜伏したドイツ労働者党の主義主張に共鳴し、そのまま軍を辞めて入党してしまう。演説が神がかり的に上手かったヒトラーは党内で次第に頭角をあらわし、シンパと影響力を増していった。党の指導的立場となったヒトラーは上層部に巧みに圧力をかけ、独裁を認めさせた。そして1921年、党名を国家社会主義ドイツ労働者党(N.S.D.A.P 「ナチス」は敵対者による蔑称である)と改名。党首に就任したのである。彼は1923年のミュンヘン一揆の失敗によって入獄するが、国民の間にナチスの支持者が多数存在しており、獄中にもナチス党員がいたため、刑務所内での生活は快適そのものであり、相当の自由も認められていた。獄中で「我が闘争」を口述筆記により執筆。独特の世界観を表明する。出獄後は武力闘争路線を放棄して合法的な政権獲得を目指す。世界恐慌によりドイツが混迷の度を深める中、着実に支持を伸ばし、国防軍・財界とも関係を確保。1932年の総選挙でナチスが第一党の座を得る。1933年に首相となると、国会議事堂炎上事件によって共産党を弾圧。1934年には全権付与法(全権委任法)を制定して国会を無力化。さらにヒンデンブルク大統領の死によって首相と大統領を兼任する総統に就任して独裁を完成する。以後、ヴェルサイユ体制の破壊と生存圏の拡大を企図。反共産主義を主眼とした枢軸を大日本帝国、イタリアとともに形成、新世界秩序の確立を目論み、1939年9月1日にポーランドに電撃侵攻。以後1945年の大日本帝国無条件降伏まで6年間に及んだ第二次世界大戦の火蓋を切った。緒戦でドイツ軍は破竹の勢いで進撃し、1940年6月14日にはパリが陥落するなどしたものの、アメリカの参戦、独ソ戦での敗北などで徐々に形勢不利となっていった。 1945年4月29日、ソ連軍が迫る総統官邸地下壕にて、長らく愛人としていたエヴァ・ブラウンの懇願に応える形で(彼女はヒトラーとの結婚を切に望んでいたが、ヒトラーは固辞し続けていた)結婚式を挙げ、ヒトラーとエヴァは夫婦となった。翌日、ヒトラーの愛犬ブロンディに青酸カリを飲ませて毒の効果を確認し、エヴァ夫人は服毒自殺、ヒトラーは拳銃で自殺した。1945年5月7日にベルリンは陥落し、ドイツは無条件降伏した。
名言
「わたしは間違っているが、世間はもっと間違っている」
「民衆がものを考えないということは、支配者にとっては実に幸運なことだ」
「大衆は小さな嘘より、大きな嘘の犠牲になりやすい」
「嘘を大声で、充分に時間を費やして語れば、人はそれを信じるようになる」
「熱狂した大衆だけが、操縦可能である」
「政策実現の道具とするため、私は大衆を熱狂させるのだ」
「女は弱い男を支配するよりも、強い男に支配されたがる」
「天才の一瞬の閃きは、凡人の一生に勝る」
「平和は剣によってのみ守られる」
「退路を自ら断つとき、人はより容易に、より果敢に戦う」
「人種堕落の時代において、自国の最善の人種的要素の保護に専心した国家は、いつか地上の支配者となるに違いない」
「賢い勝利者は、可能な限り、自分の要求を幾度も分割して敗北者に課するだろう」
「神は臆病な民族を原則として自由にして下さらぬ」
「並外れた天才は、凡人に対して配慮する必要はない」
HN:sakura
参考文献 「アドルフ・ヒトラー」