開発独裁3
出典: Jinkawiki
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開発独裁とは
開発独裁とは、国内の開発・発展を優先する立場から、国内の政治的欲求を強圧的な手段で抑えて独裁政治を行うことである。開発独裁と一言で言っても、実体は官僚支配や権威主義的政権、経済的利権を何らかの形でばらまいて政権を維持する利益誘導政治など一様ではない。また、形式上議会制民主主義が維持されていても長期安定政権によって開発主義的な政策が行われてきた場合もこう呼ぶこともある。
権力独占と民主主義
フィリピンの政権やインドネシアのスハルト政権、タイのサリット政権といった「開発独裁」国家では、開発政策を推進する上で、軍部出身者や国家官僚などの少数のエリートが権力を独占して国家運営を行なった。開発独裁政権下では結社の自由や言論の自由が抑圧され、秘密警察・治安警察による社会の監視体制が作られた。開発独裁が起きたほとんどの国では共産党が強い影響力を持っており、民主党は厳しく弾圧された。労働運動も政府の御用組合のみが存続を許されていたにすぎない。しかし、開発独裁政権においても「民主主義」的諸制度が全面的に否定されていたわけではない。さまざまな制約下で、政党・議会・選挙などの民主的諸制度は存続した。しかし、それらは制度的外観を備えているにすぎないもので、開発独裁政権にとってそれらは政権の「民主的」な正当性を内外にアピールするために必要とされていたに過ぎない。実際には、選挙は政府の厳重な監視下に置かれて実施され、政権与党の圧勝劇を演出し、議会には先鋭的な対立は持ち込まれなかったのである。
問題点
中国や韓国も第二次世界大戦後開発独裁が行われた。二国は経済の発展により、民主化運動が起きて独裁体制は終了した。しかし、シンガポールでは経済発展を遂げた現在でも独裁が続いてしまっている。また、経済開発が軌道に乗らないばかりかむしろ後退しているとしかみられない国が多数存在している。これらの国については、経済開発や経済協力のあり方を検討する以前の問題として、国家としての基本的な統治能力が問われている。アフリカ諸国など多くの独裁国家は近代化できないままであり、貧困の象徴である「餓死」は全て独裁国家で起きてしまっている。
参考サイト
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%AB%C8%AF%C6%C8%BA%DB http://www.weblio.jp/wkpja/content/%E9%96%8B%E7%99%BA%E7%8B%AC%E8%A3%81_%E9%96%8B%E7%99%BA%E7%8B%AC%E8%A3%81%E3%81%AE%E6%A6%82%E8%A6%81