社会的勢力
出典: Jinkawiki
2008年5月12日 (月) 06:42 の版; 最新版を表示
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影響源が社会的影響の受け手の生活空間に変化を起こさせる能力を持っている状態を指す。 社会的勢力がもつ特徴として3点が指摘される。
- 必ず特定の領域について持たれるものである。
- 潜在的な影響力であって、社会的影響力そのものとは区別される。
- 二者間において、必ずしも一方だけが勢力を持つとは限らない。
社会的勢力はフレンチ、レイブン(1959,1965)によって以下に示す6つの類型に分類されている。
これらは必ずしも独立しておらず、レイブン(1965)はそれらの相互関連、社会的影響に及ぼす勢力の効果を明確に表している。
目次 |
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社会的勢力の分類
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社会的勢力の類型(フレンチとレイブン,1959)
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報酬勢力(Reward Power)
- 報酬を与える能力を基礎とした勢力。
- 勢力の強さは受け手が期待する報酬の度合いに依存する。
- 報酬勢力の行使により送り手に対する受け手の好意度が増すことがあるが、この場合に強化されるのは準拠勢力であるため、その好意度は報酬勢力の強度には影響しない。
(例)被雇用者は給与を受け取ることを前提で雇用者に従事する。[雇用者⇒被雇用者/給与]
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強制勢力(Coercive Power)
- 影響の受け手による、送り手に従わない場合に発生する罰の予想から生じる勢力。
- 勢力の強さは罰の強度に依存し、送り手側が受け手側をどの程度観察できるかが心理変化を決定する。
- その行使によって送り手に対する受け手の好意度が増すことはない。
(例)ノルマを達成しない作業員を減給する[雇用者⇒作業員/減給]
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正当勢力(Legitimate Power)
- 影響の送り手が自分に正当な権利であるとして影響力を行使し、かつそれに従う義務があるという価値を、影響の受け手が内在化していることから派生する勢力。
- 送り手側による観察の度合いや送り手側に対する受け手側の好意度は勢力の強さに影響しない。
(例)先生が提示した宿題をこなす[先生⇒生徒/宿題]
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準拠勢力(Referent Power)
- 影響の受け手が送り手と同一視したいという気持ちに基礎を置く勢力。
(例)彼はピロウズに憧れてギターを始めた[ピロウズ⇒彼/憧れ]
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専門勢力(Expert Power)
- 影響の送り手が持つ当該の分野の実際の知識量や、その知識量について受け手が持つ認識によって決まる勢力。
- 特に送り手が受け手の集団に属している場合を指す。集団外部に属する場合は情報勢力である。
- 送り手側による観察の度合いや送り手側に対する受け手側の好意度は勢力の強さに影響しない。
(例)彼女は先輩の指示を仰ぎながら報告書を書いた[先輩⇒彼女/先輩(の持つ知識)]
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社会的勢力5類型の発展モデル(レイブン,1965)
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情報勢力(Information Power)
- 影響の送り手が持つ当該の分野の実際の知識量や、その知識量について受け手が持つ認識によって決まる勢力。
- 特に送り手が受け手の集団に属していない場合を指す。集団内部に属する場合は専門勢力である。
- 送り手側による観察の度合いや送り手側に対する受け手側の好意度は勢力の強さに影響しない。
(例)天気予報に従って傘を持って行く[気象予報士⇒自分/(気象データや予測に関する技術など)]
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参考文献
齊藤勇編『対人社会学重要研究集 1 社会的勢力と集団組織の心理』、誠信書房、1987年