南北問題12
出典: Jinkawiki
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南北問題は、主に北半球の中緯度地帯に位置する先進工業国(北)と、それより南に位置する発展途上国(南)との経済格差とそれに伴う諸問題の事を言う。
【歴史的背景】
欧米諸国による帝国主義のもとで植民地の地位におかれたアジアやアフリカの多くの国々は、第二次世界大戦後、次々と独立をはたした。そうした途上国は、大土地所有制などの前近代的経済社会構造をなかなか払拭できないことに加えて、植民地時代に押し付けられた経済のモノカルチャー化(ある特定の農産物や鉱産物などの生産と輸出に依存する経済)によって産業基盤が未完熟で、経済状態は悪く、ほとんどの国が貧困問題をかかえてきたことによる。また、多くの発展途上国では人口増加や、環境破壊により、栄養・教育・保健衛生などの生活基盤が確保されていないことも要因となっている。
【南北問題解決への取り組み】
南北間の格差を是正しようと、1964年の国連総会採決で途上国から先進国への意見表明として、UNCTAD(国連貿易開発会議)が行われた。この場において、途上国は一致団結して先進国側にあたり、途上国の経済的自立をめざして、GNPの1%援助・一般特恵関税の供与・一時生産の価格安定の要求を決議した。しかし、一定の成果はあったものの先進国側との協調はあまり進まなかった。
1970年代に入ると、南北の対立は先鋭化していった。
また、1974年の国連資源特別会議において新国際経済秩序(NIEO)宣言により、先進国と対等な貿易を要求した。このように、途上国は資源ナショナリズム(天然資源に対する保有国の恒久主権の主張)と経済的主権の平等を柱とする新国際経済秩序の確立を主張し、先進工業国と対立していく。
先進国から途上国への施策実施の場として、OECD(経済協力開発組織)が存在する。
先進国の行う対途上国政策は、基本的にOECDで立てられた計画に基づいて実行されている。OECDは南北問題の解決になくてはならない組織となっている。
参考資料 資料 政・経 2011 東学
投稿者 KK