外国人参政権4
出典: Jinkawiki
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外国人参政権
「外国人参政権」。マスコミにたびたび登場する文言です。もう少し詳しく言うと、「日本に定住する外国籍の人々に地方参政権を付与する」か否か、という議論です。
自民党政権のころから、与野党問わず「参政権を付与」しようという提案がでて、議論が起きては先送りされる、そんな状況の繰り返しの様相です。選挙とはあまり関係ないはずです。というのも、「参政権」を「付与」されようとしている方々は、今の時点で選挙権がないのですから、票に直結するわけではないからです。
さて、この問題を考えるときに、重要な点が2つあると思います。一つは、我が国において、「定住外国人」というと、真っ先に在日韓国・朝鮮・台湾人の方々が想起されるため、その時点でそうした方々の「権利」の擁護とこの参政権の問題がごっちゃになって、視野が狭くなってしまうということです。いま一つは、一般に、この件に関する基礎知識が不足しているということです。
そこで今回は、後者に焦点をしぼりたいと思います。また、しばしば「外国籍の人も日本に税金を払っているのだから権利を等しく与えるのは当然だ」という意見を聞きます。これはまさに「暴論」の類でしょう。反論はすぐ出来ます。「じゃあ、税金を払っていない日本国籍の人、たとえば所得が低いとか、外国に住んでいるとかの場合は、選挙権がないの?」ということです。そんなことはありませんね。それこそ刑務所にでも入っていない限り、成人の日本国民には等しく選挙権があります。「税金」と「参政権」には、なんの関連もないのです。
本題の「外国人参政権」を論じるにあたり、我々はどうしてもいわゆる在日韓国・朝鮮・台湾人の方々のことを真っ先に考えてしまう傾向がありますが、その方々は、高齢化や帰化の増加により、年間数千人単位で減少しており、今後増えるということはあまり考えられません。他方、その他の定住外国人、特に中国籍の方が急増しているという統計があります。これは、「外国人労働力」を導入するか否かといった問題と直結しており、実は深刻な問題といえます。
日本は現状、いわゆる「単純労働者」の外国人は受け入れない、という建前になっています。しかしこれにはいくつか例外があり、「日系人」については職業による区別なく就労できます。日系人とは、海外に移民してその国の永住権を取得した人、およびその子孫で、ブラジルや米国を中心に約30万人いるといわれています。
また、「研修」と称して2年間の実質的な就労ができます。現在日本にいる「合法的な」外国人単純労働者は、このいずれかのカテゴリーに属し、あとは留学などを隠れ蓑にした「不法就労」です。2006年の統計ですが、「合法」が75.5万人、「不法」が17万人という数字です。日本の総労働力人口は約6000万人強といわれていますから、外国人の割合は1%強ということになります。ドイツなどはトルコ系を中心に約9%ですから、この比率自体は小さいです。
しかし、外国人労働者の方が全国均一にいるわけがありません。自動車産業の町・愛知県豊田市では、外国人の割合が総人口の3.6%、そのなかの保見が丘町ではなんと45%が外国人なのです。「定住外国人は決して多数派にならないから参政権を付与しても大勢に影響ない」などとの論がありますが、あまりに楽観的といえましょう。外国人が多数を占める地方自治体、というのも、現実のことになっているのです。
引用:[[1]] hn:osushi