ノート:インターネットの問題点

出典: Jinkawiki

2013年8月8日 (木) 05:48 の版; 最新版を表示
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1.インターネット中毒とは?

インターネット中毒を考えるには、そもそもインターネット中毒とは何なのか、といったことを明らかにしておかなければならない。一体、それはどのような状態のことを指すのであろうか。これについての明確な定義は今のところなされていないが、その状態を把握するのに以下のヤング(1997)による尺度が役に立つだろう(2,11)。ここでは、全8項目のうちYESが5つ以上ある者を中毒者、5つ未満の者を非中毒者としている。

1.インターネットに夢中になっていると思う。 2.ある程度の接続時間がないと満足できない。 3.ネットへの接続をやめる(時間を減らす)のを失敗したことがある。 4.接続を切断するときに憂鬱な気持ちになる。 5.ついつい予定より長く接続してしまう。 6.インターネットのせいで、仕事や学校を休んだことがある。 7.家族やセラピスト、その他の親しい人間に、どの程度ネットに接続しているか正直に答えられなかったことがある。 8.日常生活でイヤなことがあるとネットに接続してそれを解消する。

以上に示されるように、インターネットに夢中になった場合、それによってどのような問題がもたらされるのだろうか。それは単に「接続料が払えない」といった経済的な問題だけとは限らないようである。例えばヤング(1996)は、インターネットにのめり込んで家族を顧みないために、夫に離婚を宣告され、子どもともコミュニケーションがうまくとれなくなってしまったという43歳の主婦の例を報告している(3)。また、ベルサーレら(1996)も、度重なるネット使用によって成績の低下や、ルームメイトからの拒否を招いた上、授業へも参加しなくなり、仮進級になってもインターネットをしていた男子大学生を報告している(4)。さらに最近では、ネットサーフィンに夢中になった母親が、その邪魔になるとして子どもを部屋に監禁し、掃除もしない状態で放っておいたという事件も報道されている(5)。これらの例から、インターネット中毒は中毒者の日常生活を大きく変えてしまい、その精神面などにも深刻な影響を及ぼしていることが伺える。


引用文献

(1)Kraut,R., Patterson,M., Lundmark,V., Kiesler,S., Mukophadhyay,T., Scherlis,W. Internet Paradox:A social technology that reduces social involvement and psychological well-being? (http://homenet.andrew.cmu.edu/progress/HN.impact.10.htm) (2)Young,K..S. Center for On-Line Addiction :What is Internet Addiction? (http://netaddiction.com/whatis.htm)(3)Young,K..S.(1996) Pshychology of computer use : XL.Adddictive use of the Internet : A case that breaks the stereotype. Psychologycal Reports,,79,899-902 (4)Belsare,T.J., Gaffney,G.R., Black,D.W.(1997) Compulsive Computer Use American Journal of Psychiatry, 154 (2)


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