特撮技術の国際化
出典: Jinkawiki
特撮
特撮とは本来、特殊撮影を使用する映像作品を総じて示していたが、現在での日本ではひとつのジャンルとして呼称されており、その対象は子供向けとして作成されたものが数多い。シリーズ作品としては「ウルトラシリーズ」、「仮面ライダーシリーズ」、「ゴジラシリーズ」など、単発としては「空の大怪獣ラドン」、「月光仮面」、「妖怪戦争」などが挙げられる。
国際化への流れ
最初期に国際化へと働いたのは円谷プロである。国際マーケットを視野に入れた円谷皐社長の意向によって、テレビシリーズが長期休止期間であった1980年代から1990年代中頃まで、日本国外の資本との提携・合作によるビデオシリーズや劇場用新作など、TV以外の媒体で多くのウルトラマンが登場した。作品は「ウルトラマングレート」、「ウルトラマンパワード」(なお、これら以前にもアメリカのハンナ・バーベラ・プロダクションと共同制作した「ウルトラマンUSA」が存在するが、アニメ作品のため紹介は割愛する)。その後、1991年には石森プロによるスーパー戦隊シリーズ第16作品目「恐竜戦隊ジュウレンジャー」の課外委嘱作品「マイティ・モーフィン・パワーレンジャー」が製作され、現在でもシリーズ製作は続いている。2009年には同プロの「仮面ライダー龍騎」をリメイクした作品「KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT」が製作され人気を博す。そして2014年には、1998年に不評に終わった日本の大人気怪獣映画のリメイク「GODZILLA」の作風をより日本のゴジラに近づけさせた上で、新規の映画として制作された「ゴジラ」が公開され、アメリカでの興行収入は初日で3850万ドル(約39億円)、世界オープニング興行収入では1位の1億9,621万ドル(約196億円)という結果をもたらした。日本では同年7月25日に公開された。
主な作品
ウルトラマンG(グレート)
円谷プロダクションがオーストラリアで制作した作品。平成に入ってから初めて作られた作品で、当初は日本で制作される予定だった作品をオーストラリアのビデオ作品として映像化した。日本版の吹き替えには、京本政樹、山寺宏一、藤岡弘、など豪華な顔ぶれをそろえた。日本では、1995年にTBSにて放送された。全13話。
ウルトラマンパワード
前作の好評を受け、ハリウッドにて制作された。デザイン・脚本の担当は日本だったが、撮影は主にハリウッドで行われたため著作権はアメリカのものとなり、日本ではグッズ販売権のみの形となった。しかし、結果は振るわず、ハリウッド側が計画していた次シリーズの計画もなくなることとなった。主人公は、当時アメリカで活躍していたケイン・コスギが演じた。日本での放送は同じく1995年。全13話。
「パワーレンジャーシリーズ」
1993年から現在まで続く日本の「スーパー戦隊シリーズ」を欧米版としてアレンジした作品群。世界100か国以上で視聴され、最も成功した作品とも称される。ヒットの理由として、この時代のアメリカには、子供用の番組が少なかったのが要因の一つとも言われている。映像やスーツ等は日本からの流用である者が多く、製作費は日本のおよそ3倍にあたり、より多くのことをチャレンジした作風となっている。初期はサバン・エンターテイメントが制作を担っていたが、2001年にこの会社の所属するグループがウォルト・ディズニー・カンパニーの傘下に入ることが決定し、2002年に制作された「パワーレンジャー ワイルドフォース」以降の作品は、ディズニーの制作となる。その後、2010年、サバン・キャピタル・グループは長い交渉の末、ウォルト・ディズニー・カンパニーから4300万ドル(日本円でおよそ4億3000万円)で買収し現在に至る。制作予定のものを含め、作品数は18になる。
KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT
2009年に制作された「パワーレンジャーシリーズ」の仮面ライダー版。日本で2003年に放映された「仮面ライダー龍騎」のリメイク作品である。大の仮面ライダーファンであるスティーブ・ワンを監督に迎え入れたが、結果は視聴率、玩具売り上げにも失敗し、全40話まで制作されたものの番組編成の都合上、38話で打ち切りを余儀なくされた。
ゴジラ
2014年アメリカで制作された「ゴジラシリーズ」のリブート作品。初代ゴジラのイメージを現代のアメリカと合わせ新しい作品を生み出した。出演陣の中には、渡辺健の姿も。詳細については、上記参照。