フィンランドの教育6
出典: Jinkawiki
≪PISAによって注目されるフィンランドの教育≫ フィンランドが国際的な注目を集めるきっかけとなったPISAとは、経済協力開発機構が実施している国際学力調であり、っ義務教育修了段階の15歳児が持っている知識や技能を、実生活の様々な場面で直面する課題にどの程度活用できるかを評価することを試みたものである。調査は、読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシー、問題解決である。フィンランドは2000年2003年と全調査において上位を占めている。
≪平等の追求≫ PISAの結果から、フィンランドにおいて、生徒間、学校間、家庭環境の違いによる学力格差が少ないことを示した。PISAの報告書は「相対的にすべての生徒の数学的リテラシーがすべての学校で高い水準にあるという理想像に最も近い結果を示しているといえる」と、高く評価している。「平等」はフィンランドにおいて、最も重要な教育目標であり、また、最優先課題とされてきたものである。実際、就学前段階から高等教育段階まで、公立・私立のいかかわらず、無償性をしき、教育の機会均等の保障に努めてきた。こんかい、PISA において、教育機会均等とともに、その結果における平等も図られていること、すなわち学力において格差が小さいことが明らかになったことは、長年にわたり重視してきた政策の有効性が、PISAという国際調査の場において証明されたともいえる。
≪細やかな支援≫ 子ども一人一人に対するきめ細やかな指導は、補助などの形でも実施されている。たとえば、授業を進めるなかで理解が不十分とされた子どもたちには、別室での授業や、早朝の補習授業などがじっしされる。こうした取り組みを選別的と見る向きもあるが、集団を固定していないことや、「病気などで学校を欠席した子どもが授業に追いつくために」といったレベルでも行われていることなどから、学習支援ととらえられている。
≪修士課程を修了した優秀な若者が教師を目指す≫ 1971年の教員養成法んびおいて、それまでの師範学校で行われていた教員養成を大学で行うことが規定されると、移行期間を経て1975年から大学における教員養成が始った。その後、高等教育学位全体が見直されるなか、1978年に「教育学に関する学位と課程に関する政令」が公布され、教員養成課程を修了すれば修士号を取得できることが規定された。これにより、実質的に、教師に対し修士号が求められるようになったのである。
参考文献 ・「フィンランドに学ぶ教育と学力」 庄井義信 中嶋博 編著 明石書店