STAP細胞2

出典: Jinkawiki

2015年7月29日 (水) 12:44 の版; 最新版を表示
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STAP細胞


目次

STAP細胞

STAPとは「刺激惹起性多能性獲得細胞」を英語で表記した際、Stimulus Triggered Acquisition of Pluripotency の頭文字をとったものである。 刺激を与えることによって、多くの細胞に変化できる「分化多能性」を持ち、「惹起」とは、何かが引き起こされることによって刺激で多能性の獲得が起きる、という意味からきている。


STAP細胞の発表

2014年1月30日理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの小保方晴子を中心とする研究グループが、ある論文を発表した。マウスの新生児の脾臓から取った細胞を弱酸性溶液に浸けるだけで細胞が初期化され、まるで受精卵のように身体のあらゆる細胞を作る多細胞になるという内容だった。


STAP細胞の特徴

STAP細胞は増殖せず、実用化されにくいものと考えられていたが、一定条件のもとで培養すると、無限に増殖する2種類の多様性幹細胞に変化するようだ。それでも変異の仕組み等不明な点が多いため人間への実用化は難しいとされた。また、STAP細胞は癌になる可能性があるようである。京都大学の山中伸弥教授が数年前に開発したiPS細胞は作成するのに3週間から4週間とされていたが2週間以上の短縮となる2日から7日で作成できるようだ。


捏造されたSTAP細胞

STAP細胞への熱狂的な反応は長くは続かなかった。論文の発表の翌週から掲載された写真やグラフがおかしいという声があがり始めた。酸に浸けた細胞が緑に光るSTAP細胞になる様子を映した動画にも疑問の声があがった。この実験で使われていた細胞にはOct4という遺伝子が働いてタンパク質をと蛍光を発する遺伝子が入っている。Oct4はES細胞でよく発現する遺伝子で多能性獲得のサインとされている。その動画には細胞が緑色に光る様子が映っていたがこれはOct4が発現したものではなく、細胞が死んだ時に発する自家蛍光ではないかと専門家が指摘した他にも論文に載せた写真が確認できなかったり、STAP幹細胞のおおもとのSTAP細胞にもTCR再構成がなかったりなど指摘を次々に受けてしまった。


事実究明への主な動き

2014年 1月28日 理化学研究所STAP細胞論文についての記者発表。 2月上旬  STAP細胞論文の疑義が指摘され始める。 3月31日 調査委員会画像2件捏造、改竄と認定。小保方氏は不服申し立て。 5月 8日 理化学研究所が小保方氏の不服申し立てを却下。 5月28日 小保方氏STAP細胞の2本目の論文撤回に同意。 6月 4日 小保方氏STAP細胞の1本目の論文撤回に同意。 7月 1日 理化学研究所検証実験への小保方氏の参加を発表。 7月 2日 STAP論文2本が撤回される。 12月19日 理化学研究所、小保方氏がSTAP細胞を再現できずと発表。検証実験打ち切り。 12月26日STAP細胞、マウス、テラトーマ、STAP幹細胞はすべてES由来だったと結論づける。


参考文献

「"STAP細胞問題"が残したもの」 - NHKオンライン(2015/07/28) 日経サイエンス 特集STAP細胞の全貌 2015年3月号 日経サイエンス社


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