ホーム・ドクター制度
出典: Jinkawiki
オランダの医師は「一般医」と「専門医」に分けられ、前者をホーム・ドクターという。 オランダでは誰もがホーム・ドクターを持たなければならず、市民は自由にホーム・ドクターを選び登録し、傷病が発生したときにはまずホーム・ドクターの診察を受ける。診察の結果、ホーム・ドクターが自分の領域を超えていると判断した場合、その患者を専門医に紹介する。保険での診療を望む限り、ホーム・ドクターの紹介なしでは専門医に見てもらうことはできない。また一度登録したホーム・ドクターが気に入らない場合は、他のホーム・ドクターに替えることも可能である。 オランダのホーム・ドクターは約7千人存在し、全ての地方に定住しながら自宅やヘルスセンターで仕事をしている。 患者とホーム・ドクターの関係は長年にわたって継続されるため、強い信頼関係を築くことができる。
オランダではおよそ20年も前から安楽死を容認する傾向にあり、この大きな理由にはホーム・ドクター制度の存在があげられる。 オランダの人々はホーム・ドクターとの長い付き合いの中で育まれた深い信頼関係を基にして、自分を熟知してくれるホーム・ドクターとじっくり病気や治療について話し合う。安楽死を行なうかどうかについても、じっくり時間をかけて話し合うことが可能なのである。このことが安楽死の容認につながっている。