IPS細胞1
出典: Jinkawiki
IPS細胞とは
iPS細胞は2006年に誕生した、新しい多能性幹細胞で、再生医療を実現するために重要な役割を果たすと期待されている。 人間の皮膚などの体細胞に、極少数の因子を導入し、培養することによって、様々な組織や臓器の細胞に分化する能力とほぼ無限に増殖する能力をもつ多能性幹細胞に変化する。この細胞を人工多能性幹細胞 (induced pluripotent stem cell:iPS細胞)と呼び、名付け親は、世界で初めてiPS細胞の作製に成功した京都大学の山中伸弥教授である。
iPS細胞の発見
病気やケガで失われた臓器などを再生するための研究は数十年前から研究されていた。1981年には、ケンブリッジ大学(イギリス)のマーティン・エバンス卿らが、マウスの胚盤胞からES細胞(embryonic stem cell:胚性幹細胞)を樹立することに成功した。ES細胞は代表的な多能性幹細胞の一つで、あらゆる組織の細胞に分化することができる。
その17年後、1998年にウィスコンシン大学(アメリカ)のジェームズ・トムソン教授が、ヒトES細胞の樹立に成功し、ヒトES細胞を使い、人間のあらゆる組織や臓器の細胞を作り出すことにより、難治性疾患に対する細胞移植治療などの再生医療が可能になると期待がふくらみ始めたのである。
IPS細胞のメリットとデメリット
・メリット まずは、臓器を作成できるというところだ。ヒトの皮膚などからiPS細胞を取得し、それを育てることによって、人間の臓器が作成できる。臓器がガンなどに 侵されてしまっても、自分のiPS細胞から臓器を作成し移植することができる。
さらには、新薬の開発が発展する可能性もある。iPS細胞から臓器を作り出し、薬の効果や副作用を確認することで、今まで以上に安全な薬を作ることができる。 ・デメリット 実験から、約20%の確率で細胞にガン化が見られたのである。新しい臓器ができたとしても、ガン化していたらまったく意味をなさない。確実に安全と言わ れるまで、まだまだ時間が必要なのである。 また、iPS細胞は、元になる細胞を提供した個体に戻しても拒絶反応が起こらないと期待されてきたが、アメリカで行われた実験でiPS細胞でも拒絶反応が起こ ることが分かったのである。
参考文献 URL「http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/faq/faq2.html」 「http://jnyear76.com/3962.html」