シュタイナー教育 10

出典: Jinkawiki

2015年7月30日 (木) 15:15 の版; 最新版を表示
←前の版 | 次の版→

 シュタイナー教育(ヴァルドルフ教育)は、社会、経済、教育、医学、農業など人間生活のあらゆる分野に新機軸を示したオーストリア(現在のクロアチア)生まれの哲学者、ルドルフ・シュタイナーによって基礎づけられた。シュタイナーは独自の人間観による12年一貫教育の教育システムを提示し、教育内容はもちろん、教員の養成方法、学校の運営の方法までその指針を作り上げ、シュタイナー教育を行う学校や幼稚園が広がっていく基盤をつくった。


●シュタイナー教育の特徴

1. 人間の発達や生理・心理についての緻密な理論に基づいている。シュタイナー教育のすべては、「子どもたちはこういうふうに発達するのだから、このように向き合っていくとよい」という基盤から導き出されており、誕生から7歳までは肉体と感覚の発達、7歳から14歳にかけては感情の発達、14歳以降に知性の発達が中心になるとして、早期の知的な教育を避けている。

2. 授業全体を芸術的に扱うことがふさわしいという考えから、教育内容をむき出しのまま教えない。どのような教科においても、詩を唱え、歌を歌い、リズムにあわせて動き、絵画や造型活動で手を動かすことで、生き生きとした感情と意志を通して子どもたちは学ぶ。

3. 教師の自由な創意と自主性がとりわけ重視される。教科書を踏襲するのではなく、時代や地域の文化状況、眼前の子どもたちの実情にあわせ、教師自らが授業をその都度創造していくことが目指される。そのため、教師は授業の準備に多くの時間を費やす。また、教師の創造性や自発性を支えるための、さまざまな芸術的トレーニングやメンタルトレーニングが確立されている。

4. 教師会の役割が重視されている。教師会では、子どもたち一人一人の姿を複数の教師の目を通して共有しあい、その子の本質に多面的に近づくための努力がなされている。教師会には、学校医も参加することが多い。医師が教育に関与することにより、予防医学や治療的な視点を教育に活かす可能性も開かれている。

5. 教育は文化発展を通して社会に寄与するとする社会観に基づき、国家原理および経済原理からの自主独立を理念として掲げている。

6. 幼稚園では異年齢の縦割りクラス、小学校以上では同一担任による8年間持ち上がり制の12年間一貫教育、同じ教科を数週間にわたって学ぶエポック授業、オイリュトミーと呼ばれる独自の身体芸術を採り入れるなど、外面的にもさまざまな特徴をもつ。


【参考】

 ・http://altjp.net/classification/article/94


HN:mks


  人間科学大事典

    ---50音の分類リンク---
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                          
                  
          

  構成