フィンランドの教育
出典: Jinkawiki
フィンランドにおいて「教育」は、すべての人の基本的権利であるとされている。フィンランドに住むすべての人は無償の義務教育を受ける権利があり、義務教育以降も教育は基本的に無償とされ、国家による教育給付金の受給権利がある。また年齢、居住地、経済状況、性別および母語に関わらず、国民すべてに平等な教育の機会を提供している。
フィンランドの義務教育は7歳から16歳の9年間における基礎学校(日本の小学校に相当する初等教育と、日本の中学校に相当する3年間の中等教育からなる)での教育である。基礎学校卒業後、大学や高等職業専門学校進学を希望する生徒が普通高校に、就職や職業教育機関での訓練を希望する生徒が職業学校へ進学する。高等教育機関には大学および高等職業専門学校があり、大学は学士課程3年・修士課程2年であるが、一般的には修士号取得をもって「大学卒業」とされる。また高等職業専門学校は学士が基本学位であり3~4年で取得できる。
フィンランドの就学年齢は7歳からであるが、6歳児向けの就学前教育(プレスクール)が学校やデイケアセンターで行なわれている。これは任意で参加でき、幼児教育とは異なる、集団行動や学習への姿勢等、就学の準備のための教育を行なう。また基礎学校終了後に1年間の補習教育(第10学年)を任意で受けられる。
*フィンランドの教師
フィンランドでは教師は社会的な地位が高く、就きたい職業のトップである。それは今までの歴史の中で、高度な教育を受け、一般教養を広く身につけた人のみが教師になる資格があると考えられ、現在も教育機関以外の他分野においても社会発展に貢献しているからである。実際に、大学の教育学部に入れるのは志願者の1割という狭き門である。
すべての教師には年1回の研修が義務付けられ、教師たちはこうした能力向上のための研修やセミナーに参加する時間が保障されている。またクラブ活動等は別の専門家が受けもち、残業もほとんどない。授業の準備にじっくりと専念することが可能なのである。
<参考文献> ヘイッキ・マキパー 『平等社会 フィンランドが育む 未来型学力』 2007 明石書店