国際通貨制度
出典: Jinkawiki
戦後の国際通貨制度(71年8月のニクソン・ショックまで)は、IMF体制またはブレトンウッズ体制と呼ばれる。IMF加盟国は、金あるいはアメリカドル(1オンス=35ドル)に対して自国通貨の平価を定めた(日本は1ドル=360円)。為替相場は固定され(固定相場制)、各国は自国通貨を維持することが義務づけられた。各国の通貨とドルとの為替レートを固定することで、戦前の通貨切り下げ競争による金融システムの混乱を避けようとするものであった。 固定相場制はドルへの信頼すなわちアメリカ経済の安定性を前提とするものであったが、60年代にアメリカの国際収支悪化によってドル流出が続いた。各国では「ドル不安」からドルを金に交換するようになり、これによってアメリカの金保有が減少してドルへの信頼がさらに低下した。固定相場制はニクソン・ショック★をきっかけに暫定的なスミソニアン体制を経て73年に主要国が為替レートを市場の需給にゆだねる変動相場制へと移行したことで終了した。
固定相場制を維持できなかった背景には、日本やヨーロッパ諸国の経済規模の拡大がある。対外的な取引が拡大する中で、為替レートを固定しつつ各国が独自の経済政策を展開することは困難になったのである。