エンパワメント3

出典: Jinkawiki

2015年7月31日 (金) 13:52 の版; 最新版を表示
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エンパワーメント 概要 一般的には、個人や集団が自らの生活への統御感を獲得し、組織的、社会的、構造に外郭的な影響を与えるようになること、人びとに夢や希望を与え、勇気づけ、人が本来持っているすばらしい、生きる力を湧き出させること。先住民運動や市民運動としてのエンパワーメントは、20世紀を代表するブラジルの教育思想家であるパウロ・フレイレの提唱により社会学的な意味で用いられるようになり、ラテンアメリカを始めとした世界の先住民運動や女性運動、あるいは広義の市民運動などの場面で用いられ、実践されるようになった概念である。エンパワーメントの概念が焦点を絞っているのは、人間の潜在能力の発揮を可能にするよう平等で公平な社会を実現しようとするところに価値を見出す点であり、たんに個人や集団の自立を促す概念ではない。エンパワーメント概念の基礎を築いたジョン・フリードマンはエンパワーメントを育む資源として、生活空間、余暇時間、知識と技能、適正な情報、社会組織、社会ネットワーク、労働と生計を立てるための手段、資金をあげ、それぞれの要素は独立しながらも相互依存関係にあるとしている。地方自治や弱者の地位向上など下から上にボトムアップする課題を克服していく上で、活動のネットワークが生み出す信頼、自覚、自信、責任等の関係資本を育むことが、エンパワーメント向上の大きな鍵とされている。 保健医療福祉実践、企業活動とエンパワーメント 保健医療福祉実践や企業活動におけるエンパワーメントには、人は誰もがすばらしい力を持って生まれ、生涯にわたりそのすばらしい力を発揮し続けることができるという前提がある。 そのすばらしい力を引きだすことがエンパワーメントである。医療や福祉などの実践では、一人ひとりが本来持っているすばらしい潜在力を湧きあがらせ、顕在化させて、活動を通して人々の生活、社会の発展のために生かしていく。また、企業などの集団では、社員一人ひとりに潜んでいる活力や能力を上手に引き出し、この力を社員の成長や会社の発展に結び付けるエネルギーとする。これが組織、集団そして人に求められるエンパワーメントである。 エンパワーメントの種類 エンパワーメントには3つの種類がある。セルフ・エンパワメント(自分エンパワーメント)、ピア・エンパワメント(仲間エンパワーメント)、コミュニティ・エンパワメント(組織/地域エンパワメント)である。これらを組み合わせて使うことがエンパワーメントの実現に有効であり、「エンパワーメント相乗モデル」という。

参考資料 エンパワーメントのケア科学、安梅勅江著 被抑圧者の教育学 パウロ・フレイレ著 エンパワメント科学 http://square.umin.ac.jp/anme/research/anme/EMP2.html


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