アメリカの民主主義

出典: Jinkawiki

2008年7月2日 (水) 22:52 の版; 最新版を表示
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アメリカは多様な人々からなるのに関わらず、アメリカを政治的な求心力で一 つの国としてまとまっており、アメリカを民主主義の国と称することはアメリカ 国民にとってごく自然な認識である。アメリカが語る民主主義とは、特殊アメリ カ的な経験に基づいて形成されてきた。移民の国として生じ、地域的な差異が大 きく革命によって独立を勝ち取った国であるため、アメリカの国としての経験そ のものが、アメリカの民主主義を制約する枠として機能しているともいえる。政 府に対する本質的不信感、正当な手続きに対する執着、あくまで個人単位の思考、 経済的自由主義の重視、何よりも民主主義を道義的なものとしてとらえようとす る姿勢そのものが、民主主義が本質的に備えている特徴というよりも、歴史の中 でアメリカが再確認してきた特殊アメリカ的の特徴である。冷戦期にはアメリカ 民主主義に拮抗するソ連の共産主義があったが、多くの国々が民主化の道をたど り、ソ連の崩壊はアメリカを唯一の超大国として位置づけた。加速度的に多様化 する「民主国家」の構成要因は、だれがその社会の構成員としてみなされるかと いう枠組みを覆している。アメリカが掲げる民主主義が国際社会に対して持つ影 響力は、その是非は別として、今日非常に大きくなり、それに伴ってアメリカの 語る民主主義をめぐる摩擦も激化している。


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