弓道
出典: Jinkawiki
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弓道(きゅうどう)は、和弓で矢を射て、的に中(あ)てる一連の所作を通し、心身の鍛錬をする日本の武道である。古武道の弓術を元とし、現在ではスポーツ競技、体育の面も持ち合わせている。一方で古来から続く流派も存在し、現代の弓道と共存しながら古流を守り続けている。
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歴史
弓矢の歴史は古く、旧石器時代末期(約2万年前)まで遡る。食料を得るための狩猟道具として発明され、日本においては縄文時代に急速に普及したとされている。 やがて弓矢は戦闘用の武器へと用途を変えていきますが、中国文化の影響により儀式的な側面も持つようになる。その後、武家時代の到来により、武士の間で心身鍛錬と戦闘技術の訓練としての弓術が盛んになり、技術革新とともに様々な流派が生まれた。 やがて、鉄砲の伝来とともに武器としての弓矢の時代は終わりを迎え、主に心身鍛錬を目的とした「弓道」が確立される。
明治に入って欧化主義が採られると、弓道は衰退の危機を迎えるが、日清・日露戦争の開戦による国家主義思想の高まりにより、武道による心身の鍛錬の重要性が再認識され、弓道は一般に広く普及した。 やがて終戦とともに学校教育からの除外などの措置が採られるが、愛好者たちによる様々な取り組みや、全日本弓道連盟の設立などを経て、体育の授業として復活する。 弓道は新たな教育的意義、体育的意義が認められ、現在はスポーツとしての側面を持つようになっている。
射法八節
- 足踏み(あしぶみ) 射位(しゃい:弓を射る位置)で的に向かって両足を踏み開く動作。
- 胴造り(どうづくり)足踏みを基礎として、両脚の上に上体を安静におく動作・構え。
- 弓構え(ゆがまえ) 矢を番えて弓を引く前に行う準備動作。
- 打起し(うちおこし)弓矢を持った両拳を上に持ち上げる動作。
- 引分け(ひきわけ) 打起こした位置から弓を押し弦を引いて、両拳を左右に開きながら引き下ろす動作。
- 会(かい) 会は形の上では引分けが完成され(弓を引き切り)、矢が的を狙っている状態をいうが、射手の心理からいえばむしろ無限の「引分け」である。
- 離れ(はなれ) 矢を放つ、あるいは放たれること。
- 残心(ざんしん) 矢が放たれた後の姿勢。「残身」とも書く。
アーチェリーとの比較
技術的には、アーチェリーは矢を(身体から見て)弓の左に番え、弦は右手人差し指、中指、薬指で引く「地中海式」をとるのに対し、弓道は矢を弓の右に番え、取り掛けは右手親指根で弦を引っ掛けるようにして保持する「蒙古式(モンゴル式)」をとる(弓術#諸外国弓術との比較)。また日本のアーチェリーでは弓道の射法八節を取り入れている[注釈 13]。 道具では、弓道もアーチェリーも本質的には同じであるが、アーチェリーの弓には(競技種目にもよるが)多数の補助具(スタビライザー、サイト(照準器)、クリッカーなど)を付けるのに対し、和弓は基本的に弓と弦だけである。アーチェリーでは左右両手用の弓があるが、和弓では基本的に左手用の弓しかない(弓道では左手に弓を持ち、右手で弦を引く)。 ルール面では、弓道では試合において引き戻しが許されず、矢を発射前に落とした場合は「失(しつ)」として、その矢は失格となる。
参考文献
ウィキペディア https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%93%E9%81%93 弓道の特徴・歴史・流派 - 弓道講座 http://sports.homemate-navi.com/useful/kyudo/
ハンドルネーム:舘ひろし