地域暖房
出典: Jinkawiki
2008年7月6日 (日) 13:23 の版; 最新版を表示
←前の版 | 次の版→
←前の版 | 次の版→
温熱を集中的に製造するプラントから、一定のエリアのビル、住宅などの複数の建物に配管を通じて熱を供給 するもの。エネルギー事業としては電気、ガスに次ぐ第3の公益事業といわれている。従来、冷暖房はそれぞれの ビルで個別に熱源設備を設け電気や重油を利用して行われてきたが、地域暖房を利用することによって、大気汚染など の公害を防止し、省エネルギーや防災などに大きな効果がある。熱源設備を集中化することで、多くのメリットが ある。
≪メリット≫
・清掃工場ごみ焼却廃熱などの未利用エネルギーが利用可能
・機器の運転効率が向上し、エネルギーの利用効率が向上する
・一括した燃焼管理により大気汚染を防止
・ビルごとのボイラー設備が不要
・設備費、維持管理費が軽減される
・ボイラー、危険物などの有資格者が不要であり、火災、爆発の心配がない
・燃焼機器がなく、音が静か
・スペースを有効利用でき、建物の外観もよい
≪歴史≫
1875年、ドイツにおいて世界初の地域暖房、1893年にハンブルクでコジェネレーションによる地域暖房が開始 された。以後、寒冷な北欧を中心に蒸気による暖房を行うものが徐々に設置されるようになった。1950年代には、 都市開発に伴い急速に普及した。
1970年代のオイルショック以降、石油代替エネルギー導入のために燃料転換や新規導入が行われた。 また、温暖な地域においても、冷房・暖房双方を行うものが設置されるようになった。
1970年代には、日本全国において大気汚染が大きな社会問題となった。これを受け、北海道では、昭和46年に札幌市におけるばい煙防止対策として熱供給を開始した。以後、青森など寒冷な地域では積極的に行われている。