グローカリゼーション

出典: Jinkawiki

2008年7月8日 (火) 03:13 の版; 最新版を表示
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グローバリゼーションの影響で、地域が多民族、多文化、多言語、多宗教になること。「グローバル」と「ローカル」を合わせた新造語「グローカル」の派生語。普遍主義の個別化と個別主義の普遍化の両作用を伴うものとして、ローランド・ロバートソンが提唱(Robertson 1992)。

世界的な・地球規模のという意味の「グローバル」と、一定の地域や場所に属するという意味の「ローカル」とは相対する概念である。つまり発想は地球規模であるが、活動は地域的であるとする概念から生まれた言葉である。世界が同質化するか多様化するかのどちらかという立場ではなく、現代をどちらもが同時に起こる過程にあると捉え、グローカリゼーションという語ができた。

グローバリゼーションといっても、それは単に文化侵略的に押し付けられていくわけではない。世界的に広がったものが、ローカルな伝統・慣習に適合する形に変化して取り込まれているケースが多々存在している。これは例えば、世界各地展開しているマクドナルドが、それぞれの地域に合う形で柔軟な経営を行っているということが挙げられる。どの国でも販売されているメニューに加え、韓国ではキムチバーガー、ニュージーランドではキウイバーガーといったその国に合わせた独自のメニューある。また、店内の雰囲気やサービスの仕方も各地域で変えている。マクドナルドは本来、従来のレストランとは違い「注文してすぐ食べられる」という回転の速さを売りとしたファーストフード店として世界中に広まった。しかし最近の日本や韓国においては、勉強や談話に快適な長居を可能にする空間として受け入れられている。他にも日本でごく一般的に食べられている、あんぱんやカレーなども、西洋、インド料理を日本風にアレンジしている食べ物である。

近年、このように世界の多くの地域では、グローバリゼーションとローカリゼーションの現象を同時に目にすることができるグローカリゼーションが浸透している。


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