外国人労働者11
出典: Jinkawiki
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外国人労働者とは
外国人労働者とは、他国からやってきた労働者を受け入れる国の側から呼ぶときの呼称である。近年では、外国人労働者問題が新聞や雑誌などを賑わせる大問題になっている理由として、日本の国際的位置、特に経済上の位置が急激な円高現象もあり、一人当たりのGDPが世界第一になったことが挙げられる。その結果、「モノ」と「カネ」の国際化が急激に進むとともに、「ヒト」の流れが急増し、しかもその流れを受け入れる体制作りが間に合わないということが、問題をより大きくしているのである。
在留資格
我が国で外国人が就労可能な在留資格としては、貿易・事業または投資活動を行う者、学術研究機関または教育機関での研究指導または教育を行う者、興行関係者、高等な技術提供のために招へいされる者、熟練労働、特に中華料理、フランス料理等のコックや菓子職人であるとされ、その数としては興行関係者が圧倒的に多いようである。
問題点
外国人労働者に関する問題点は様々なものがある。 まず一つ目に、我が国の企業等に雇用されている外国人労働者が年々増加してきているのに加えて、語学教師、翻訳・通訳・コピーライティング、貿易企業などの企業等への就職を許可された外国人の職種が多様化してきていることである。これらを個別のケースごとに審査する体制には、外国人にとって日本に入国・在留できるかどうかの基準が明確ではなく、不必要な手間や時間をかけたり、外国人の入国・在留を制限しているとの評価も生まれてしまうため、在留資格の種類や範囲の見直しが進められている。 次に偽装結婚も大きな問題となっている。国際結婚が増える一方で、我が国で単純労働について外国人の在留を認めていないために、労働目的をカモフラージュし、偽装結婚により日本人の配偶者として入国する外国人も増えている。この偽装結婚は、アメリカの新法のような手続き規定を置いても、在留資格のための偽装結婚であるかを見分けるのは困難とされている。 そして最大の問題とされているのが、不法就労外国人である。不法就労外国人について、基本的人権や社会的保護、人権保護を求める場が整備されておらず、また、不法就労の発覚、強制送還を恐れて訴えることができないことが多いと言われている。
今後の方向性
大量の外国人が日本に入国し、その中で不法就労者が激増している事態が一方であり、他方では、「ヒト」の国際化を含む日本の新たな開国の基準的条件が未だに整備されていないのが、今日の日本の現状である。そこで今後は、外国人労働者の入国の自由と移住・移転の自由、在留の権利、労働基本権と労働条件の保障、社会保障や社会福祉などを見直し、改善していく必要があると考えられている。
参考文献
・手塚和彰「外国人労働者」日本経済新聞社 1989年
・手塚和彰・宮島喬・凃照彦・伊藤祐禎「外国人労働者と自治体」明石書店 1992年
ハンドルネーム:トトロ