出生前診断と世界

出典: Jinkawiki

2016年7月24日 (日) 13:39 の版; 最新版を表示
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出生前診断とは

   出生前診断とは広い意味では、妊娠中に行われる超音波(エコー)検査や胎児心拍数モニタリングなど、胎児の発音や異常の有無などを調べるすべての検査を含む。そしてせまい意味では遺伝子検査のことを指し、胎児の発音や異常の有無を調べるだけでなく、先天性疾患、染色体異常、遺伝子レベルの変化の有無を調べる検査である。この狭義の出生前診断には、具体的には、羊水検査や絨毛検査、母体血清マーカー検査、新型出生前診断などがあり、これらの検査方法は大きく①確定的検査と非確定的検査、②侵襲的検査と非侵襲的検査に分類する事ができる。


①確定的検査と非確定的検査 確定的検査を受けると、胎児の診断はほぼ確定する。それに対して非確定的検査はあくまで胎児が染色体異常にかかっている可能性が高いかどうかを評価する検査のため、これだけでは胎児の診断を確定することは出来ず、確定的検査が必要となる。確定的検査となるのは羊水検査、繊毛検査、着床前診断であり、非確定的検査となるのは母体血清マーカー検査、超音波検査、妊娠初期コンバインド検査、新型出生前診断である。


②侵襲的検査と非侵襲的検査 侵襲的検査とは検査によって流産するリスクがあるものであり、非侵襲的検査とは検査による流産のリスクがほぼないものである。侵襲的検査となるのは羊水検査、繊毛検査、着床前診断であり、非侵襲的検査となるのは母体血清マーカー検査、超音波検査、妊娠初期コンバインド検査、新型出生前診断である。侵襲的検査はそういったことから、胎児が染色体異常である可能性が高い妊婦が受けることが一般的である。日本産婦人科学会は、下記のいずれかに該当する場合の妊娠について、夫婦ないしカップルから希望があった場合に、遺伝カウンセリングによる理解の後、同意が得られた場合に行うとしている。


1、夫婦のいずれかが、染色体異常の保因者である場合

2、染色体異常症に罹患した子どもを妊娠、分娩した既往を有する場合

3、高齢妊娠の場合

4、妊婦が新生児期もしくは小児期に発症する重篤なX連鎖遺伝病のヘテロ接合体の場合

5、夫婦の両者が、新生児期もしくは小児期に発症する重篤な常染色体劣勢遺伝病のヘテロ接合体の場合

6、夫婦の一方もしくは両者が新生児期もしくは小児期に発症する重篤な常染色体優性遺伝病のヘテロ接合体の場合

7、その他、胎児が重篤な疾患に罹患する可能性のある場合


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