絶滅危惧種2
出典: Jinkawiki
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絶滅危惧種とは
さまざまな要因により、個体数が減少し絶滅の危機に瀕している種・亜種を指す。進化の過程では絶滅することも自然のプロセスだが、今日の絶滅は自然のプロセスとはまったく異なり、さまざまな人間活動の影響のもと、かつてない速さと規模で進んでいる。絶滅の防止は地球環境保全上の重要な問題となっている。では、なぜ問題なのか。それは生物多様性のバランスが保たれている時、地球上の生き物は相互依存して生きられるが、バランスが崩れるとそれは難しくなるからだ。そして、地上の生物の絶滅は最終的には人類の存続に関わってくる。つまり、絶滅しても良い動物はいない。
国際自然保護連合(IUCN)
国際自然保護連合(以下IUCN)は、1948年に世界的な協力関係のもと設立された、国家、政府機関、非政府機関で構成される国際的な自然保護ネットワークのこと。IUCNは、International Union for Conservation of Natureの略であり、自然保護に関する世界最大のネットワークでもある。
レッドリスト
「絶滅のおそれのある生物種のレッドリスト」(以下レッドリスト)とは、IUCNの種の保存委員会(SSC)が提供する、自然保護の優先順位を決定する手助けをするもの。レッドリストは、絶滅の危機にさらされている植物や動物の種のパーセンテージを分析し、生物多様性の損失について統計上の警告を出す。すべての種の状態、とりわけ、樹木や淡水の生物といった具体的なグループを監視することは、地球規模での保護の優先度を識別する助けになる。2014年のレッドリストには動物、植物など合計約2万2千種以上記載された。レッドリストの項目は以下の通り。
絶滅 Extinct(EX) すでに絶滅したと考えられる種。
野生絶滅 Extinct in Wild(EW) 飼育・栽培下であるいは過去の分布域外に、個体(個体群)が帰化して生息している状態のみ生存している種。
絶滅危惧IA類 Critically Endangered(CR) ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの。
絶滅危惧IB類 Endangered(EN) ⅠA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの。
絶滅危惧Ⅱ類 Vulnerable(VU) 絶滅の危険が増大している種。現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続いて作用する場合、近い将来「絶滅危惧I類」のランクに移行することが確実と考えられるもの。
準絶滅危惧 Near Threatened(NT) 存続基盤が脆弱な種。現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」として上位ランクに移行する要素を有するもの。
軽度懸念 Least Concern(LC) 基準に照らし、上記のいずれにも該当しない種。分布が広いものや、個体数の多い種がこのカテゴリーに含まれる。
情報不足 Data Deficient(DD) 評価するだけの情報が不足している種。
日本における絶滅危惧種
減少してしまう原因
私たち人間が豊かな生活を望むが故に、動物や植物たちの居場所がなくなってしまっている。その主な理由は下記にある通り。
乱獲 食料はもちろん、毛皮や装飾品、インテリアとして高価で売れるため。保護されるようになってからも、監視の網をくぐって密猟者は動物たちを捕獲。既に絶滅したり、動物園でしか見られなくなった動物の数が増加。
外来種 本来の生息地ではない場所に、人間が意図的に外来種を持ち込むのは非常に危険。大抵の在来種の生息地が乗っ取られ、免疫の無い病気が広まる可能性も高い。沖縄で、ハブを退治しようとして持ち込んだマングースが、ヤンバルクイナやアマミノクロウサギを襲ったというような事例がある。
人口増加 20世紀、特に第二次世界大戦後は「人口爆発」と呼ばれる勢いで人口が増加。1950年には50億人、2000年には61億人を突破。2050年には90億人を突破すると予測されている。つまり、人間が生活圏を広げる=他の生き物の生息地が無くなるということ。さらに、ある種の絶滅により関連する別の種が絶滅するという連鎖反応が生じる。
地球温暖化 地球の急激な温暖化により、ある動物は食べ物を失い、住む場所さえ失うことになる。
私たちができること
絶滅危惧種の原因を辿ってみると、すべて人間に端を発するものである。私たちができることはなんだろうか。
地球環境を守る ごみを減らす、節水節電を意識する。また、移動手段としてできる限り、公共交通機関や自転車もしくは徒歩を心がけるなど。地球環境を守ることは、生物多様性を守ることにつながる。
外来種のペットを飼わない 珍しいからという理由だけで、外来種のペットを飼わないこと。
ミドリガメの例 正式にはアカミミガメという外来種。買ったときは5センチほどだが、30センチほどまで成長する。寿命は約40年。多くの人が持て余して川に放した結果、在来種のイシガメは絶滅危惧種に。そのため環境省はミドリガメをカミツキガメなどとともに、輸入・販売と飼育を規制することにした。
[1]IUCNとは-IUCN日本委員会
[2]EICネット
[3]絶滅危惧動物図鑑 みんなで守ろうぼくらのなかま
[4]絶滅危惧種の原因はコレ!対策はどんな?