多神教
出典: Jinkawiki
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多神教(たしんきょう、英: polytheism)はその名の通り多数の神々を信じ礼拝する宗教のこと。1 対義語には一神教が存在する。また、同義語として扱われる言葉には「汎霊説」「精霊信仰」「地霊信仰」と訳されるアニミズム(英: animism)が存在している。
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概要
多神教には多くの神々が信仰されているその性質上同じ宗教の中でも信仰のあり方、理念が多数存在しており信仰形態が多様である。しかしそれゆえに時に同じ宗教内であっても矛盾するものさえある。
また、特定の意思決定権を持つ最高神が不在の場合が多いが中には特定の一神(主神)が最も高位にあると考え、主神を崇拝の中心とするものも存在している。多神教的一神教と呼称される。多神教的一神教が存在している背景には元々は一神教のように一つの信仰対象を持っていた勢力が、他の勢力と接触したり征圧したりするうちに、似たような他の信仰対象を吸収し、気が付いたら多神教的な信仰形態になってしまっていたパターンも多い。(ヒンドゥー教、シヴァ信仰など)
かつての文化人類学の学者の中では原始宗教やアニミズムなどの多神教信仰が発達した頂点に一神教が存在すると言う宗教進化論が主張されていたが、初めから一神教の信仰形態をとっていた宗教があったことなどの理由から現在ではその考え方は否定されており、宗教には序列が存在しないとされている。
主な多神教
多神教は地域に根づいた信仰である場合が多く、民族的要素が強い。
- 日本神話・神道
- アイヌの信仰
- 琉球神道
- 仏教
- 道教
- 中国神話
- ヒンドゥー教
- インド神話
- ギリシア神話
- 北欧神話
- ケルト神話
- ハワイ神話
また現存していないものとして古代エジプトやメソポタニア、古代ギリシャの神々に対する信仰、中南米のメソアメリカやアンデス文明で信仰されてた神々などがある。
現代日本人の宗教観
読売新聞が2005年に行った「宗教」に関する世論調査の結果には「宗教を信じていない(無宗教もしくは無神論)」と言う選択肢を選んだものが75%にも上り、「神や仏にすがりたいと思ったことがあるか?」に関しては、54%の人が「ある」と答え、44%の人が「ない」と答えた。
現代の日本人の大多数は、実際にはいわゆる宗教儀礼に参加してはいるものの、特定の宗教組織に対する帰属意識は薄く、自分のことを「無宗教」と考える者も多い。この場合の「無宗教」は、神や仏の存在を否定する無神論とは異なり、何かしらそれなりに信じているが、特定の宗教組織や教義に全人格的に帰属してはいないということである。これらの思考が出来上がった背景には日本と言う外的が少なく、自然豊かでその自然にたいして自然な信仰をささげる形が出来上がったことも大きな理由に当たるだろう。
参考文献
1大辞林 第三版より引用 https://kotobank.jp/word/%E5%A4%9A%E7%A5%9E%E6%95%99-93322
講談社学術文庫「世界宗教事典」 村上重良著
講談社学術文庫「日本宗教事典」 村上重良著