フランス革命5

出典: Jinkawiki

2016年7月31日 (日) 11:42 の版; 最新版を表示
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目次

背景

 18世紀後半のフランスは、ブルボン朝の絶対君主制(アンシャン・レジーム:旧体制)が続いていた。一方でルソーやヴォルテールなどの自由を求める啓蒙思想が、国民の間に広まっていった。
1789年5月5日、ルイ16世の招集により全国三部会が開かれた。三部会から分離し国民議会を立ち上げ、6月20日、テニスコートの誓いが行われた。また、立憲君主制を成立させるするためにフランス最初の「憲法」制定に着手したさなか、人気があった財務長官ジャック・ネッケルが罷免された。これを契機に7月14日、バスティーユ襲撃事件が勃発。フランス革命は全国に広まっていった。8月4日、国民議会は封建的特権の廃止を決め、アメリカ独立宣言を参考にし、ラ=ファイエットらが起草した、フランス人権宣言を採択した。この宣言には基本的人権・国民主権・私有財産の不可侵が盛り込まれた。1791年6月20日、ヴァレンヌ逃亡事件をおこし国民の信頼を失う。1792年に王権が停止し、翌年にルイ16世は処刑された。
フランス革命が掲げた自由・平等・博愛の精神は、民主主義の土台となった。一方で、目的のためには社会の改造や暴力も正当化した点で、共産主義や全体主義にも大きな影響を与えた。また同時に展開されたイギリスの「産業革命」と並行する「二重革命」として、「近代資本主義社会」を完成させた動きととらえることが出来るであろう。

アンシャン・レジーム

アンシャン・レジーム(=旧制度)とは、ヨーロッパの現象でありヨーロッパの政治的、経済的、社会的、文化的変遷の1段階を示すものである。ここではフランス革命前の、絶対王政下のフランスの政治・社会のありかたを取り上げる。ブルボン朝の国王を頂点とし、第一身分(聖職者)、第二身分(貴族)が特権身分とし、官職を独占し、土地も大半を所有し、免税特権を与えられていた。一方、人口の9割以上占める第三身分(農民や都市の民衆)は重税が課せられ、特に農民は領主への重い貢租に苦しめられていた。また、徴税を行った役人がおもに貴族で、彼らの取り分が多く、国家の収入が減っていたのも問題であるがうえに、参政権も認められていなかった。同じ頃、フランスの絶対王政はイギリスとの植民地抗争、ヨーロッパでの領土拡張戦争に明け暮れ、国王の贅沢な生活と共に、国家財政は危機に直面していた。そのため、ルイ16世は三部会を開催して貴族への課税を行おうとしたために、貴族の反発にあい、そこから一気に王制の打倒にまで到達するフランス革命へと展開していく。
アンシャン・レジームは、身分制度のなかに矛盾が色濃くあらわれていた。同一身分内でも経済的な格差が広がり、利害対立が深まっていった原因であった。また、社会制度に対する不満も高まっていた。


バスティーユ襲撃事件

バスティーユ牢獄は、本来は要塞であり、高さ30mの城壁と幅25mの濠でかこまれていた。このような要塞は全国に30ほどあり、特にパリのバスティーユ要塞はリシュリュー時代から牢獄として使われ、王政に反対する政治犯が収容されていた。国民は裁判もなしでいつここに閉じこめられてもおかしくなかった。バスティーユ牢獄は専制政治の象徴であったといえる。
1789年6月26日、国王は威圧のために2万人の外国人軍隊を召集した。これに対し、パリの選挙人達の代表は議会に赴いて軍隊の撤去を要求した。7月8日、議会はこの要求に対し国王に撤兵を要求した。3万5千の外人傭兵がヴェルサイユ周辺に配置され、なお2万の軍隊が待機しており、国民議会は武力の前に屈服寸前だった。また、これらと並行して、7月6日、下からの改革を目指す国民議会は憲法制定のための憲法委員会を創設した。続く7月9日には国民議会は名称を「立憲国民議会(立憲議会)」と名乗り、絶対王政から立憲王政へ切り替えを目指した。一連の議会を中心としたパリの民衆の動きに対して、ルイ16世は7月11日、民衆に人気のあったネッケルを突然罷免し、また、議場をパリからノワイヨンまたはソワッソンに移す用意があると表明しました。これらの都市はパリから東北約90キロ離れたところにあり、東部国境を守る軍団の中心地にありました。つまり、パリ民衆と結託している議会をパリから遠ざけようとしたのです。


ヴァレンヌ逃亡事件

参考文献

フランス革命 http://www.vivonet.co.jp/rekisi/a07_frank/revolution.html
フランス革命‐世界史の窓 http://www.y-history.net/appendix/wh1103_1-013_1.html
アンシャン・レジーム ウィリアム・ドイル/福井憲彦【訳】
1789年 フランス革命論 ~不安と不満の社会学~ 野々垣友枝 著
新詳- 世界史B 帝国書院
世界史用語集 全国歴史教育研究協議会 編


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