北欧の人々の環境意識

出典: Jinkawiki

2008年7月18日 (金) 11:41 の版; 最新版を表示
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 北欧諸国は環境に対する意識が高い。例えば、デンマークでは缶ジュースや缶ビールの国内販売が禁止されている。全てがビン入りで空きビンをスーパーやキオスクに持っていくとビン代が戻ってくる。一本当たり20円~30円程で、数本集めれば子供にとってはちょっとしたお小遣い稼ぎにもなる。こうして回収されたビンはリサイクルされ、ゴミを減らすことや、環境への負担軽減につながっている。お金が戻ってくるというシステムが、人々が空きビンを捨てずに店に返す意欲につながり、空きビンに対する「ゴミ」という意識を「資源」という意識に変えることに役立っているのだ。空きビンに限らず、ペットボトルも同じ返還システムで再利用されている。

 1994年に冬季オリンピックが開催されたノルウェーのリレハンメルでは、「環境・競技・社会の一体化」をスローガンに環境保護の立場に立ったオリンピック開催が目標として掲げられ、ノルウェーの自然保護協会が準備期間を通して自然の監視役を務めることになったのである。例えば、設備建設に使用する木材については不法伐採すれば一本あたり5万ノルウェー・クローネの罰金。また2万枚に及ぶ案内掲示板はその70%が再生段ボールを利用して作成されるなど、資源の浪費を防ぐ努力がなされた。自然の景観を破壊しないように崖の一部を削っただけでつくられたスケート場は、常時摂氏8度という自然条件もあってエネルギー資源の節約にもつながったのである。

 水に囲まれたスウェーデンのストックホルムでは、1991年以来、毎年8月に「ウォーター・フェスティバル」というお祭りが開されている。水の汚染防止に貢献した世界各国の企業または個人に、毎年一回「水の賞」という賞を授与し、環境汚染防止を世界に促すことが目的である。お祭りの期間はしないで様々な催しが開催され、その収益が「水の賞」の資金となる仕組みである。ストックホルム市内を巡る水路は、鮭の一本釣りができるほど清浄だという。


参考図書 『北欧 読んで旅する世界の歴史と文化』(百瀬宏・村井誠人監修 新潮社)


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