開発教育2
出典: Jinkawiki
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開発協力に携わった市民団体による広報・啓発運動をきっかけに、欧米において1960年代より始められた。貧困や環境破壊等の開発に係る諸問題や南北問題を理解し、それらの問題の解決に向け自らが社会参加し移動していくことをめざした教育活動である。貧困削減や福祉の向上も向け実施される国際協力の重要性やあり方を学習するための教育であるともいえる。共生・公正の原則のもとでの地球社会づくりへの参加を目標としている。学習対象者は幼稚園児から大人まで幅広い。
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日本における開発教育
1979年に国連広報センター、国連大学、ユニセフ駐日事務所の共催により第1回目の「開発教育シンポジウム」が開催され、その後、1982年に開発教育の普及を目的に開発教育協議会が発足した。1980年代以降、開発教育への本格的な取り組みが開始され、次第に普及しつつある。当初は、欧米の事例紹介等が教育活動の中心であった。最近では、開発教育の担い手の多くを占める学校教員を中心に日本独自の取り組みも展開されている。
参加型学習
開発教育は参加と行動を重視した参加型学習が大きな特徴である。「開発に係る諸問題の現状を知ること」「開発のあり方を考える事」「社会の中で行動・参加すること」を実践するための学習活動であることから、学ぶ側の主体性と学びのプロセスを重視している。学ぶ側が受動的になりやすい知識伝達型の講義形式ではなく、学習者が積極的に発言・参加し、自らが考えるための参加型・体験型の学習形態が求められることになる。開発教育における参加型学習の形態は、スタディ・ツアーなどの体験学習プログラムへの参加やフェア・トレードの実施などで展開されている。
実践
開発教育の実践は、学校教育の現場のみならず、NGOや国際交流団体等による独自の社会教育活動としても行われおり、最近では教員とNGOの連携など、関連団体や個人が相互に連携・協力した地域レベルでのネットワークを活かした形での開発教育活動が実践されている。
参考文献
『国際社会福祉論』川村匡由編著 ミネルヴァ書房
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