21世紀型スキル
出典: Jinkawiki
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21世紀型スキルとは
多くの国が産業基盤の経済から情報基盤の経済に変化していく中、教育制度も変化に答えなければならないという認識が生まれるようになり、2009年1月にロンドンで開催された「学習とテクノロジーの世界フォーラム」において「21世紀型スキルの学びと評価プロジェクト(Assessment and Teaching of Twenty-First Century Skills Project(ATC21S))」が立ち上がる。このプロジェクトは、世界でも有名なテクノロジー企業、シスコシステムズ、インテル、マイクロソフトの3社がスポンサーして始まり、2010年にはオーストラリア、フィンランド、ポルトガル、シンガポール、イギリス、アメリカが参加国として加わる。メルボルン大学との間で学術的な協力関係をつくり、大学内の評価研究センター内に研究開発の本部を置いている。このプロジェクトでは、これまで評価や教育の目的で深く検討されてこなかった「デジタルネットワークを使った学習」と「協調的問題解決」の2領域がターゲットである。簡単に言うと、21世紀型スキルは、今の21世紀において必要とされ、使われるスキルのことである。
発達的な学習モデル
21世紀型スキルを教えていくためには、学習の不足を補う「補充型アプローチ」と「発達的アプローチ」の差異を明確にしておくことが重要である。補充型アプローチは、人々が現在できないことに焦点を当てて、それを1つずつ修正していくという見方である。発達的な学習モデルは、一人ひとりの児童生徒がもつ知識の基盤に対して、新しい知識を積み上げたり、足場かけを提供しようとするものであり、目の前の子どもたちがより高次で、深いレベルの学習に進めるようにするアプローチである。また、発達的なモデルは、子どもたちの学びがどの段階にあるのかを証拠に基づいて検討し、学習を始めるにあたっての準備がどの程度できるかにも焦点を当てる。これは、学校カリキュラムの中で教えなければいけない知識が膨大に増えていく「知識爆発の問題」に対処できる1つの方法を示している。教師は、子どもたちが「何を知り、理解し、考え、感じているか」を推測するのではなく、子どもたちが「何をして、発言し、つくり、書いたか」をいう証拠をもとに授業中に提供する支援や方法や教材等を考えなければならない。
-sally