保育制度
出典: Jinkawiki
←前の版 | 次の版→
ここではスウェーデンの保育制度についてみていく。
スウェーデン
保育所
スウェーデンでは、子どもが8歳を迎えるまで、両親合わせて480日間、両親保険を受け取って育児休暇を取ることができる。両親のどちらか一方の収入で生活することが可能な夫婦の場合、1週間の内2~3日分だけ両親保険を受け取り、残りは後の長期休暇や子どもの就学時のスクーリングのために残しておく方法がある。(スクーリング:学校という場で学ぶこと)
また、スウェーデンでは、父親や母親が働いていたり、勉強中や求職中であったり、もしくは小さな兄弟の世話で育児休暇中だったりすると、1歳から12歳までの子ども全員が保育を受ける権利をもつ。1歳から5歳までは、ダーギスと呼ばれる保育所、または家庭型保育所に、6歳児は義務教育前の準備期間として就学前保育所に預けられる。そして、6歳以上12歳までは、始業前や放課後を学童のための余暇施設で過ごす。このような保育制度でかかる費用は、基本的に自治体が負担し、民間や共同運営も形態をとる場合もある。
保育所では、遊び、学び、休息し、食事をし、日々の生活習慣を覚え、散歩し、図書館に行き、観劇し、遠足に出かけるなど様々な体験をする。保育所は子どもたちが安心し、周囲から啓発されて多くを学ぶ場である。年に数回、親と保育スタッフは対話のためのミーティングの場がある。夜間勤務のある親をもつ子どものための夜間保育もある。
スウェーデンでは、子どもが病気の場合、両親には1人の子どもにつき年間最高120日まで休暇を取る権利がある。両親はお互い助け合って、仕事と子育てを両立している。そして、スウェーデンには、両立できるような仕組みが整っている。
待機児童ゼロ
スウェーデンは待機児童がほぼゼロである。それは、スウェーデンの保育園、幼稚園の制度にくふうがあるからだ。
保育園では、保育園が入園希望者に席を用意するのが法律で義務づけられている。また、幼児をもつ親は6時間勤務にしてもいいことが法律で保障されているため、子どもは12時間保育園にいる必要がない。
日本では、保育園は厚生労働省、幼稚園は文部科学省が管轄している。しかし、スウェーデンでは、保育園と幼稚園を統一し「就学前学校」として、日本の文部科学省にあたる教育庁という行政機関の管轄においている。それは、人間は1歳から学びが始まるという考えがあるからだ。管轄が教育庁に移ることで、子育て支援が親の視点から子どもの視点に移行した。就学前学校にすることで、保育園の社会的な地位が上がり、また保育士の給料と地位も上がり、子育て支援の質が高くなった。
このようなことから、待機児童がほぼゼロになった。
参考文献
仕事と育児の両立を応援するスウェーデンの保育制度
http://www.isatokyo.org/opportunity_sweden/?a=lifestyle/091210
待機児童はほぼゼロ、スウェーデンの保育園の秘密
https://style.nikkei.com/article/DGXNASFK0601M_W3A101C1000000?channel=DF130120166018&style=1&page=2
M*I