アイヌ文化
出典: Jinkawiki
アイヌ文化
1 二つの用法 現在「アイヌ文化」には、二つの用法がある。一つは今を生きるアイヌ民族により歴史的にはぐくまれてきた民族文化としての広義の「アイヌ文化」であり、いま一つは北海道島の歴史的変遷を論じる上で考古学的に設定された、本州島での中近世に併行する13世 世紀以降の時期を対象とした狭義の「アイヌ文化」である。
2 定義 広義の「アイヌ文化」とは、サハリン島や北千島列島を含めた日本列島北部に広がりを持ち、自然界(神の世界:カムイモシㇼ)との間の互恵性を基盤とした「送り」による世界観とこの思想と深く結びついた日用・工芸品などの物質文化や、言語・口承文芸・踊りによって特徴づけられる。これらの文化様式や生活行動様式の実践と共有を通じてアイヌとしての民族的同一性(アイデンティティ)の維持と世代を重ねた「アイヌプリ(アイヌとしての生き方)の再生産がなされている。狭義