対比効果
出典: Jinkawiki
対比効果とは、ある図形の明るさや大きさなどが他の図形のそれらと比べて、異なる方向に遠ざかって知覚される現象のことである。対比効果については、心理学の領域のみだけでなく、幅広い領域で使われる用語である。身近な例としては、すいかに塩をかけて食べるという食べ方がある。これは甘いすいかに塩をかけることで、2つの味わいのうちの甘さより強く引き立たせて美味しく感じさせる対比効果を利用したものである。
1.対比効果の実験
・係留効果の実験 Helson(1964)の重さの知覚判断に関する係留効果の実験がある。90gもしくは900gの重さの係留刺激を持った後に、系列刺激(200g、250g、300g、350g、400g)の重さを持ち、それぞれ「とてもとても重い」から「とてもとても軽い」までの9段階で判断してもらうという実験である。結果として、係留刺激が90gのときは係留刺激がないときと比較して重いと判断される傾向にあり、係留刺激が900gのときは係留刺激がないときと比較して軽いと判断される傾向にあった。この実験において、系列刺激に対する判断は高係留条件では高い方に、低係留条件では低い方に変化するというかたちで係留刺激から遠ざかる方向への判断の移行として係留効果が現れたと示唆できる。これはいわゆる対比効果としての係留効果である。→係留効果については“係留効果”のページを参照
【参考文献】 心理学実験指導研究会(編)(1985). 実験とテスト=心理学の基礎 解説編