アラブ・イスラエル戦争2
出典: Jinkawiki
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アラブ・イスラエル紛争はかつてイギリスが支配していたパレスチナの地で、1948年にユダヤ人がイスラエルを建国したことに始まった。それ以来、イスラエルとアラブは約60年間争い続けていることになる。世界中に散らばっていたユダヤの人々は、自分たちの国を再びつくりたいという共通の願いから、ユダヤ教の聖地エルサレムのあるパレスチナに国をつくろうと移り住みはじめた。「民なき土地に、土地なき民を」というスローガンのもとであったが、そこにはパレスチナ人というアラブの人々が住んでいた。アラブはイスラエルの存在を認めず、イスラエルはパレスチナ人の存在を認めていなかった。このようにお互いの存在そのものを認めないという独特な敵対関係にあった。アラブ側にとっては原状回復のための正当な戦い、イスラエル側にとっては国の独立を守るための正当防衛の戦いであった。対話が成り立つ関係ではなかったため、国際社会が仲介に入っても解決に至らなかった。こうして生まれたパレスチナ問題が、二つの世界大戦を経てアラブ・イスラエル戦争へと転換する。そしてこのパレスチナ問題は国際連合に預けられた。その結果、1947年11月に、パレスチナ分割決議が出された。その内容は、パレスチナをアラブとユダヤの双方に分割して引き渡し、それぞれに国家建設を認めるというものであった。ただし、中心地であるエルサレムは取り上げ、ここをいわば国連の直轄都市にする形で国際化しようとした。ユダヤ側はこの決議を受け入れ、ユダヤの国民国家イスラエルの建設を宣言する。1948年5月14日のことであった。しかしアラブ側はこの決議には従わないと反発して、イスラエル建国を力ずくで阻止しようとした。双方が自分たちを守るためだといって、第一次中東戦争が起きた。それは勝ったイスラエルにとっては輝かしい独立戦争であり、負けたアラブ側にとっては悲惨な騒乱であった。イスラエルという国ができた後は、アラブ諸国とイスラエルが対立する戦争になった。中東戦争とよばれるものだけでも第一次から第四次まである。このほかにも第一次と第二次のレバノン戦争があり、戦争にまで至らない武力衝突はたくさん起きている。
参考文献 『なぜ世界で紛争が無くならないのか』 増田弘 講談社+α新書