キリスト教9
出典: Jinkawiki
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キリスト教9
キリスト教という語はギリシャの「クリストス」という語に由来する。「クリストス」はヘブライ語の「メシア」とう単語がギリシャ語訳されたものである。イエスに対してこの「クリストス」という語を使い始めたのは、ユダヤ教のある一教派の人々だった。彼らは、イエスこそがユダヤ教の聖書タナハで予言されているメシアであり、人間の形をとった神の息子であると信じていた。イエスがこの世にあらわれたことは、神との新しい契約の到来を告げるものであると、キリスト教徒は信じている。
迫害から公認へ
キリスト教は、ローマ帝国統治下のユダヤで誕生し、今日までに世界最大の宗教に発展したが、その歴史を通じてヨーロッパ文明の多くの部分を形作ってきた。初期のキリスト教はユダヤ教の権力者やローマ帝国による迫害を受け、多くの殉教者を出した。それにも関わらず、初代の教会の指導のもとで信仰を保ち続け、ローマ帝国の権力者たちにも徐々に許容されるようになる。そしてついに、キリスト教会の普遍的な信条が採択されたニカイア公会議後、380年に、キリスト教はローマ帝国の国境となった。
教会の影響力
14世紀から15世紀にかけてルネサンスが盛り上がりを見せ、人文主義の立場の人々が教会権力に対して異議を唱えるようになる。また、科学の黄金時代が幕を開けたのも、この頃であった。そして、古典文化復興を目指す人々の熱意が高まるにつれて、カトリック教会への批判が激化し、1517年にマルティン・ルターが95か条の論題を発表したことが引き金となってプロテスタントの宗教改革が勃発した。プロテスタントは北ヨーロッパで教徒を集め、後にそこから新しいキリスト教の教派が次々と生まれてくる。今日、全世界でおよそ22億人に上るキリスト教人口のうち、半分以上がカトリック、役三分の一がプロテスタント、そして残りが正教ほ信者である。
参考文献
宗教学大図鑑(2015)ドーリング。キンダースリー社 株式会社三省堂
キリスト教史(2017)藤代 康三 講談社