アメリカ愛国法
出典: Jinkawiki
「アメリカ愛国法」とは「テロリズムを摘発し阻止するため適切な手段を提供し、アメリカを団結させ強化する法律」の別称で、2001年10月26日に成立した。同年9月11日の同時多発テロ事件後、テロへの恐怖心と報復感情があおられ、炭疽菌汚染事件が発生し、アフガニスタン戦争が強行されるなか、異例の短期間で採択された。
徹底審議が行われなかったため、テロの定義や、テロ防止措置と市民の自由擁護、プライバシー保護との関連はあいまいにされる一方、連邦捜査局(FBI)など捜査当局の権限は大幅に拡大された。
愛国法は、テロに関連するとみられる外国人を、7日間は司法手続きを経ずに拘束できるようにした。また、05年末までの4年間、容疑者の電話や携帯電話の盗聴、Eメールの傍受を認め、インターネットの使用・通信記録をプロバイダーから入手できるようにし、テロ調査に関連するとみなせば、個人情報の入手は裁判所の命令なしにできるようになった。
同法の運用面では、イスラム系・中東系の移住者が特に狙い打ちにされ、「ビザ期限切れ」などを理由に7日を超えて長期間拘束されたり、中東出身学生の思想調査が行われるなど、「人種憎悪」に拍車をかけた。また、ブッシュ批判や戦争批判をした者を逮捕・尋問の対象にしたり、図書館で特定の本を読んでいる者を調査するといった事例もあった。