イラク戦争21
出典: Jinkawiki
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イラク戦争
・イラク戦争とは 2003年、大量破壊兵器の隠匿が国連決議に違反するという名目で、当時のアメリカ大統領ブッシュの政権がイラク攻撃に踏み切ったために始まった戦争。イラク全土に1ヶ月庭たる攻撃により、24年もの間独裁を維持してきたフセイン政権を崩壊させた。同年5月1日にブッシュ元大統領は戦闘の終結を宣言した。
・資源戦争説 資源戦争説は最も説得力のある説のひとつで、中東及び中央アジア一帯におけるエネルギー資源の独占的確保を目指すことだ。潜在的な埋蔵量では、これまで世界1と言われてきたサウジアラビアをも上回ると言われるイラクは、地理的に資源産出国に囲まれた中枢部分に位置している。よってこの国を親米国家に変えることができれば、アメリカはイラクを中枢地点とするエネルギー資源の流通ネットワークを構築して、将来的にはさらなる広い地域に石油や、天然ガスなどの資源輸送用のパイプラインを張り巡らせることを可能としようとした。このような背景がある上でイラン戦争やアフガニスタン攻撃のアメリカ政府の軍事政策を振り返ると、結果は政治的な問題だけでなく、石油関連の利害とも一致していることがわかる。
・終わらない戦争 現在もなお、米軍部隊とイラク人武装勢力との間で交戦やテロ活動が続いているため、イラク戦争は終わったと言い切れない。原因として現地のイラク市民の価値判断基準に対する無理解や、イラク市民の権利や人格をほとんど尊重しないという駐留米軍の態度がある。彼らが戦争初期で築き上げた圧倒的な軍事的勝利の効果を消失させ、せっかくフセイン政権の打倒で一時的にアメリカ側になったはずの大量のイラク市民を、敵側へ追いやるという結果を自らの手で招いてしまっているのだ。
参考文献 「歴史で読み解くアメリカの戦争」2004、山崎雅弘、学習研究社 「イラク戦争のアメリカ」2008、ジョージパッカー、みすず書房