環境問題25

出典: Jinkawiki

2018年1月27日 (土) 23:10 の版; 最新版を表示
←前の版 | 次の版→

日本のごみ問題

環境問題を考えるうえで避けて通れない問題が、ごみ問題である。特に日本ではごみ問題が深刻で、日本はごみ問題が世界で一番深刻な国だからである。まず、ごみを燃やす焼却炉の数で考えてみる。日本には1,200以上の焼却炉が存在する。米国が約350、ドイツが約150、イギリスが約50であるから、日本の焼却炉の数が突出して多いことがわかるだろう。もちろん、日本人はごみの排出量も多いのだ。日本人一人あたりのごみの焼却量は、年間300kg以上である。ドイツが約150kg、米国が約100kg、イギリスが50kgであるから、日本人は大量のごみを出す傾向があると考えてよいだろう。


環境汚染につながるごみ問題

ごみを燃やせば、それだけダイオキシンなどの有害物資が発生する。かといって埋め立てを行えば、土壌汚染などの環境汚染となってしまうのだ。このため国は苦肉の策として家電リサイクル法などを定め、ごみを減らす取り組みを行なっているのだ。  しかし、法に基づいたリサイクルは、機能していないのが現状である。例えば回収されたペットボトルを、再生するためにはコストがかかりすぎてしまうことだ。このため、リサイクルせずに中国などに輸出されていることが大半である。また、家電リサイクルも機能していない。欧米では、家電リサイクルの方法としてデポジット制度を採用しており、リサイクルすれば、予め預けていたお金が返ってくるシステムであるが、一方、日本の家電リサイクルは、リサイクルする際にお金を支払うシステムであるため、支払いを逃れようと家電品の不法投棄が増えているのだ。このように考えてみると、ごみ問題を解決するためには国や行政の力では不十分だということが理解できると思う。私たち一人ひとりが、ごみ問題を意識する必要がある。


我々にできることは

 例えば、リデュースを行うことができる。リデュースとはごみを減らす取り組みのことで、具体的には、買い物袋を利用することや過剰包装を断ることがあげられるであろう。また、使い捨ての割り箸や紙皿、食品トレイなどを避けることによってもリデュースを行うことができる。  リユース(再利用)を意識すると、さらにごみ問題に効果があるだろう。買い物の際に再利用しやすいものを購入するのだ。例えばビールを買う時に、缶ビールではなく瓶ビールを選んでみるのはいかがだろうか。缶ビールに使用されているアルミ缶はリサイクルを行う必要があるが、瓶ビールに使用されている瓶は、回収後は洗浄され再利用されるため、よりごみが出にくいのである。小さな心がけかもしれないが、ごみ問題に大きな変化を与えるためには、必要なことなのである。



参考文献

「ごみ問題と循環社会」著:坂田祐輔、出版社:晃洋書房 (2007.04)


  人間科学大事典

    ---50音の分類リンク---
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                          
                  
          

  構成