フォルケホイスコ-レ
出典: Jinkawiki
←前の版 | 次の版→
フォルケホイスコ―レは、一般的な学校とは違った独自のスタイルを持った学校である。特色は、試験を絶対にせず、単位や資格の付与もなく、教師と学生が寮で共同生活をして学ぶことがあげられる。カリキュラムは自由で、国家の干渉を受けない私立の学校である。 18歳以上なら性別・年齢・障害の有無・国籍などを問わず誰でも入学でき、なにか技術や知識を習得することに主眼があるのではなく、あくまで授業や討論、実践、実習、生活を通して自己発見し、これから生きる自分の道を探すことに力点がおかれている。
〔期間〕
学校によって細かな違いはあるが、基本的には2ヶ月・4ヶ月・6ヶ月・8ヶ月の4種類が主になる。開始時期は6ヶ月や8ヶ月の長期コースは冬に始まるものが多く、短いものは秋や春に始まる。また1ヶ月以内の社会人向けコースや高齢者コースというものもある。 長期コースは寮生活が原則で、短期コースの場合は自宅から通う形も多くなる。
(フォルケホイスコ-レができた背景)
「フォルケホイスコーレ」の始まりは、今から150年ほど前にさかのぼる。デンマークは、ドイツとの戦争に負け、広い領土を失い、国家財政の破綻寸前であった。当時のデンマークは、まだ農業が主な産業であり、民主主義の主役であるべき国民の8割以上が読み書きの出来ない農民だった。国の再建に夢を託した政治家や文化人は、この農民や農民の子弟たちの教育に望みをかけた。この動きの中で、最も大きな役割をはたしたのが、グルントヴィであった。彼は、国民の意識をたかめるために「フォルケホイスコーレ」の設立を提唱し、その考えは、多くの賛同者を得て、地方各地に住む有志が先頭となって「フォルケホイスコーレ」が作られていった。
(参考文献) 「生のための学校」 著:清水 満 出版:新評論