森の幼稚園15
出典: Jinkawiki
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森の幼稚園とは
森の幼稚園とは、特定の幼稚園の名称ではなく、雨の日も雪の日も森での活動を行う幼稚園全体を指している。1950年代の半ばデンマークの一人の母親エラ・フラタウが自分の子どもと共に近所の子どもたちを預かり、保育のために森で遊ばせることから始まった。その後、親主導の「stovbomehaven:デンマーク語で森の幼稚園」が設立された。その後ドイツやスカンジナビア全体に森の幼稚園活動が広がり、特にドイツでは爆発的に広がっていき、2011年8月時点で496園の森の幼稚園が存在しているそうである。
2つの種類
森の幼稚園には2種類ある。1つ目は、園舎を持たず毎日森へ出かけて遊ぶ幼稚園である。2つ目は、基点となる園舎があり屋外活動の一環として森での保育を行う幼稚園である。
森の幼稚園の1日と身につく力
遊びの森に到着すると園長から話を聴いてから教師の合図により、それぞれ好きな遊びを探して森の中へ散らばっていく。森の中ではきまった遊びがないので、それぞれが思い思いの遊びを探し始める。ここでは創意工夫が必要になり子どもたちは遊びを創りだすという創造性を身に付けていく。子どもたちがある程度の規範意識の中で自らの意識や行動をコントロール(自律性)していくことで自由に活動することができるのである。森の中には起伏に富んだ地形があり、ロープでつくった冒険的な遊びも多くある。危険性もあると感じるが子どもたちには大きなけがはない。あえて危険な環境の中に身を置くことで危険に対する自己防衛能力が身につくのだ。切り傷擦り傷は毎回のようにあるが大きなけがは今まで見られない。森のようちえんでの一日は、森に到着してから遊びはじめ、お昼になると一度集まり各自の好きなところでお弁当を食べる。そして食べ終わると各自でごちそうさまをしてから遊び始め、午後2時までに幼稚園に戻らなければならないので1時半ごろには片付けて集合し森を後にする。日常の生活の中ではどうしても時間に制約されてしまう事が多い。そうなると子どもたちは時間を気にしてしまい遊びに集中することができない。ゆったりとした時間が保障されることで時間を気にせず遊ぶことに集中できる環境になるのでる。そのような環境の中で子どもたちには物事に取り組む意欲と集中力が育っていく。
参考文献
金子仁著 (2015) 「自然体験が育む幼児の生きる力の育成 -森の幼稚園での活動を通して学ぶこと-」『育英短期大学幼児教育研究所紀要 13, 23-31, 2015』育英短期大学幼児教育研究所
ハンドル名:Y