PISA7
出典: Jinkawiki
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概要
PISA(Programme for International Student Assessment)とは、OECD(経済協力開発機構)加盟国を中心に2000年から3年ごとに実施されている、義務教育修了段階である15歳を対象とする、学習到達度調査。日本では高校1年生が対象。これまでに身に付けてきた知識や技能を、実生活の様々な場面で直面する課題にどの程度活用できるかを測る内容であり、具体的には、読解力・数学的リテラシー・科学的リテラシーの三分野を測定する。多肢選択式と記述式で構成され、得点はOECD加盟国の受験者平均が500点、標準偏差が100点となるよう換算される。あわせて、生徒質問紙、学校質問紙による調査も実施する。オーストラリア教育研究所を中心とする国際コンソーシアムが国際的な調査の実施・調整を行い、日本国内では国立教育政策研究所が、文部科学省などと連携して実施している。
影響力
PISAの結果は、教育政策に大きく影響を与える。例えば、2003年のPISAにおける日本の成績は、前回の2000年調査に比べ全体的に下落した(数学的リテラシーが1位から6位へ、読解力が8位から14位へ下落)。これは「PISAショック」と呼ばれ、成績の低下はゆとり教育による弊害ではないかと問題視され、ゆとり教育への批判が高まった。その結果ゆとり教育の見直しが本格化し、学習指導要領の改訂、小中学校の授業時間や学習内容を増やすなどの政策転換に至った。日本以外でも、PISAの結果を受けて教育政策を見直す国は数多く、影響力はとても高い。
2015年の日本の結果
日本はPISAにおいて比較的に高い成績を示している。PISA2015 の科学的リテラシーでは平均で538点であり、シンガポール(556点)のみがこれを上回り、エストニア、 台湾と同程度の成績である。読解力(516点)では、日本の生徒はアイルランド、エスト ニア、韓国、ノルウェー、ニュージーランド、ドイツと同程度の成績であるが、シンガ ポール、香港(中国)、カナダ及びフィンランドは 10 ポイント以上上回っている。数学的リテラシー(平均 532 点)については、北京・上海・江蘇・広東(以後、英語の頭文 字から BSJG(中国)と表記)及び韓国と同程度の成績であるが、シンガポール、香港 (中国)、マカオ(中国)及び台湾はより高い点を示している。
対象国
シンガポール、香港、カナダ、フィンランド、アイルランド、エストニア、韓国、日本、ノルウェー、ニュージーランド、ドイツ、マカオ、ポーランド、スロベニア、オランダ、オーストラリア、スウェーデン、デンマーク、フランス、ベルギー、ポルトガル、英国、台湾、米国、スペイン、ロシア、北京・上海・江蘇・広東、スイス、ラトビア、チェコ、クロアチア、ベトナム、オーストリア、イタリア、アイスランド、ルクセンブルク、イスラエル、ブエノスアイレス、リトアニア、ハンガリー、ギリシャ、チリ、スロバキア、マルタ、キプロス、ウルグアイ、ルーマニア、アラブ首長国連邦、ブルガリア、トルコ、コスタリカ、トリニダードトバゴ、モンテネグロ、コロンビア、メキシコ、モルドバ、タイ、ヨルダン、ブラジル、アルバニア、カタール、ジョージア、ペルー、インドネシア、チュニジア、ドミニカ共和国、マケドニア、アルジェリア、コソボ、レバノン。(全70カ国)
参考文献
・文部科学省ホームページ PISAの結果についてhttp://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2010/12/07/1284443_01.pdf
・OECDホームページ PISAの結果について http://www.oecd.org/tokyo/newsroom/singapore-tops-latest-oecd-pisa-global-education-survey-japanese-version.htm
Ytmk