アメリカの大学入試制度4
出典: Jinkawiki
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アメリカでは大学入学についての統一的な規定はなく、各大学の定めた入学要件にしたがって入学者の決定が行われているが、多くの大学がSAT(Scholastic Assessment Test)、ACT(American College Test Program)の受験を義務づけているなど、共通する部分も多い。その決定方式は概ね以下の3つに分類される。 (1) 基準以上入学型(Selective) ハイスクールの卒業資格のほか、ハイスクールでの特定科目の履修と学業成績、及び適正テスト(SAT Ⅰ又はACT)の成績等において、大学が定めた基準を満たした者を全員入学させるもので、多くの州立大学の入学方式がこれに含まれる。 (2) 競争型(Competitive) 入学希望者が定員を大幅に上回るため、ハイスクールの卒業資格のほか、高いレベルの学力あるいは特定の資格を有する限られた数の入学者を選抜するもので、一部の有名私立大学などで用いられている。 (3) 開放型(Open) 成績等に関係なくすべてのハイスクール卒業資格を持つ者に入学を認めるもので、短期大学(コミュニティ.カリッジ)などで行われている。 ① SAT(Scholastic Assessment Test) SATは、アメリカの大学に出願する高校生のための、学力テストである。その種類は2つあり、一般にSATと呼ぶのはSAT Reasoningテスト(旧SATⅠ)のことである。もう1つの種類のテストはSAT Subjectテスト(旧SATⅡ)で、これはいろいろな教科の科目別テストのことである。通常のSATテストは1年間に7回存在する。年によってテストの開催される月は変わるが、1月、11月、12月、1月の4ヶ月は連続してあるのが普通で、その後は3月、5月、6月、もしくは4月、5月、6月に開催される。通常のテスト日は土曜日になっている。SAT Reasoningテストは、「数学」、「読解」、「文法+エッセイ」の3分野それぞれ800点満点で、合計2400点が満点である。テストの数は、数学が3テスト、英語の読解が3テスト、文法2テスト、エッセイ1テストである。これに加え得点にならないテストが1つあり、 合計10テストを全体で約3時間かけて解答する。SAT Subjectテストは 科学、社会、言語などの各専門教科のテストが 1時間で終わるようになっていて、 SAT Reasoningテストの受験と平行して行われる。 最大で3教科まで一度に受験ができ、1教科のみの受験も可能である。SATの数学は数学の計算力などの技術面でのテストの他に、問題文を正確に読み取れるかを試すためのテストでもある。 ②ACT(American College Test) アメリカ大学テスト事業団(American College Test Program)が実施している。 テストは英語(45分)、数学(60分)、読解(35分)、科学的推論(35分)の4領域であり、ハイスクールにおける学習の成果を測定することを目的としている。なお、回答は基本的にマークシートによる多肢選択方式である。 テストは全国一斉に実施(2000年度は6回:2000年9月、10月、12月、2001年2月、4月、6月)され、受験資格及び受験回数に制限はなく、年間の受験者数は約100万人である。
参考文献 アメリカの大学入試制度と最新動向 http://www.us-lighthouse.com/study/education/entrance-exam-latest-trend-of-university-in-america.html