フィリピンの労働者移動政策

出典: Jinkawiki

2008年7月31日 (木) 11:31 の版; 最新版を表示
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 フィリピン政府は国内の過剰労働力解消のために、フィリピン海外雇用庁(POEA)を中心として積極的な国外への労働者移動政策を展開している。

 その任務は主に、

(1)国内労働力の状況を考慮し、フィリピン人労働者の海外雇用を促進・調整するための体系的事業計画を立案すること

(2)公平かつ公正な雇用に関する権利保護をすること

であり、具体的な機能は、

(1)労働者紹介・募集活動における民間業者への規制整備

(2)海外雇用促進・監視のための組織化・実施

(3)公平・公正な募集・雇用慣行、海外労働者の福祉確保及び権利保護

(4)紹介に必要な技能の開発と登録業務及び労働者へのアドバイス

(5)二国間協定等で要請される特定技能を持った労働者の募集・紹介

(6)帰国労働者への再訓練・再雇用促進等

である。

 海外に出稼ぎを行った契約労働者数は年々増加傾向を示しており、1986年とその15年後の2001年を見ると、契約数は約2倍以上となっている。また、労働者送出は本国への送金として還元され、フィリピン人海外労働者の本国への送金額は2000年時点において60億ドルに達している。これはフィリピンの同年輸出額(381億ドル)の16%にも相当する。このうち、日本からの送金は3.7億ドルである。

 今後もフィリピン政府は、労働者の海外労働市場への送り出しを積極的に進めると考えられ、日本との経済連携に関する議論に際しても、フィリピン側は日本でのフィリピン人看護師・介護師の就労について強い関心を示している。

参考文献:『通商白書2003』(経済産業省)


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