デンマークの教育制度2
出典: Jinkawiki
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就学前教育
幼稚園と就学前学級で行われる。幼稚園は、3-6歳の幼児を対象としている。一方、就学前教育は国民学校に付設されており、主に満6歳に達した幼児を対象とし、1年間の教育を行っている。就学前学級は、遊戯や他の子どもとの協力活動を通じて、学校生活への充実を行うもので、1980年度からすべての市町村に義務付けられている。1992年には、6歳児の97.7%が就学前学級に入学した。なお、同学級には、指導を受けるのが適当と認められた5歳児も入ることが出来る。
森のようちえん
起源
1950年代、当時幼稚園が不足していたデンマークで、1人の女性が自分の子どもを毎日森へ連れていき、遊ばせていたことが始まりとされている。近所の子どもたちも参加するようになり、幼稚園として認可された。
基本スタイル
子どもたちは、朝から昼過ぎまで、森の中で過ごす。基本的に、天候に配慮はしない。カリキュラムの指定は特にない。子どもたちが希望する内容に沿って、活動内容を決める。このような活動を通じて、子どもたちへの教育効果が期待できる。
教育効果
発達面では、通常の保育園児に比べ言葉の習得時期が早い、手先が器用になる、一人遊びが 出来るようになる等の効果がある。情緒面では、感情が安定しやすい、五感の発達が促進される、協調性がある等の効果がある。その他に、幼稚園を卒園し、小学校に入学しても通常の幼稚園を卒園した子どもに比べて、成績が優秀であったり、耐久力や集中力が高かったりするというデータもある。また、森林、自然での活動は注意欠陥多動性障害(ADHD)の両方にも有効で、薬物療法や行動療法の代わりとして用いられている。
成人教育
最大の成人教育機関は国民高等学校である。国民高等学校では、デンマーク語、歴史、社会問題、外国語、心理学や音楽鑑賞などの広範な一般教育や実践的な活動が行われている。通常17歳半に達していることが国民高等学校で学ぶ条件となっており、入学試験は行われない。また、修了試験や卒業資格もない。多くの国民高等学校は、宿泊施設を有しており、1週間から10か月のコースを提供している。国民高等学校は私立であり、受講料を徴収しているが、国や市町村から補助金を得ている。
フォルケホイスコレ
現在デンマーク国内に68校ある全寮制の成人教育機関。主に4-6か月のコースで、文学、語学、音楽、環境、哲学、スポーツなど、学校ごとに複数のコースが定められ、教科は多岐に渡る。教師と学生が平等な関係の中で、相互に学ぶことが重要な理念のひとつであり、授業では自由な対話が重視される。入学試験を含めたテストや成績評価は無い。また全寮制であるため、授業外でも学生や教師が生活の大半の時間を共にする
参考文献
https://eueublog.wordpress.com/2010/08/06/forest-kindergartens/ https://www.youtube.com/watch?v=tN63kYCOqd4 http://hakojo-lab.jp/media/2018/04/19/165 http://epmk.net/yukiyamamoto/ 大蔵省印刷局(1995)『諸外国の学校教育(欧米編)』文部省
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