イギリスの学校制度
出典: Jinkawiki
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1.学校の風景 子どもは保護者の送迎により登校する。これは治安上の問題からだが、ロンドンやコベントリーなどの大都市は、条例により10歳までは親、あるいは保護者が同伴することを義務づけている。 また、初等学校の授業の特色としては、教育方法が子ども1人1人の進路に応じた個別指導であること。宗教教育が教育課程に組み込まれていること。トピック・ワークが採用されていることが挙げられている。トピック・ワークとは、初等学校のジュニア段階で普及している学習形態である。教師の選定したトピックを、クラス単位で調べ、まとめる活動である。子どもが自発的に学べる反面、系統的な知識が身につけられず、基礎学力の低下につながる懸念もある。 初等学校を出ると、ほとんどの生徒はコンプリヘンシブ・スクールに入学する。コンプリヘンシブ・スクールは、一般的なタイプは三段階に分けられている。低学年の段階からキーステージ3(11歳~14歳)、キーステージ4(14歳~16歳)、シックスフォーム(16歳~18歳)である。また、学校の内部組織として、パストラル・ケアという生徒指導組織が整備されている。1980年以降、個々の生徒のニーズに対応した個別の生徒指導に加えて、生徒の人格的な発達を促進することを目標としている。
2.学校の特色 学校に入学手続きをして登録した児童生徒の親には、規則的に子どもを出席させる義務が生じる。出欠席は担当教師によって、午前と午後にとられる。いったん学校教育を選択した親には、子どもの就学義務の履行を確かなものにするために、就学義務の督促が厳格に行われ、罰則が科せられる場合がある。 学校は義務ではない。在宅教育はホームエデュケーションと呼ばれ、法制度上も正規の義務教育として認められている。 1998年にブレア労働党政権の下で、初等学校低学年に限って30人という学級編成基準が復活した。1997年5月には「教育の卓越性」という文書を出し、学級規模を縮小して基礎学力の向上を目指すことを明確にした。
3.学校改革の動向 1997年にブレアが首相になった。ブレアの学校改革の目標は明確であり、国民の教育水準を向上させることだった。グローバルな経済競争が展開し、急激に変化するポスト工業化社会にある21世紀、優れた専門職の教師の下、子どもたちに基礎学力を習得させ、市民性を身につけさせる良質な学校が想定されている。 基礎学力の向上の目標にともない、初等段階の教育内容の改革としては、読み書き能力や計算力といった基礎学力の向上施策が講じられた。 教育行政機関としては、中央レベルに教育技能省、地方レベルに地方教育当局がある。大臣の下には、2人の副大臣と3人の大臣政務官が置かれている。また教育機関の査察を行う「教育水準局」(OFSTED)、「資格カリキュラム機構」(QCA)、「教育養成審議会」(TTA)などの独立ないしは準政府機関が設置され、政策の執行、助言あるいは審判を行っている。