オランダ教育の学校評価
出典: Jinkawiki
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オランダの学校評価
オランダには様々な学校の自己評価ツールが存在する。ここでいう自己評価ツールとは、学校が自らの学校評価するときに使う方法のことである。タイプは二つ存在する。一つは、学力テスト、もう一つはアンケートなどを利用して、学校の自己評価を行うものである。そしてオランダには、独自の自己評価ツールのプロジェクトとしてZEBOプロジェクトがある。このプロジェクトの全体的な構成としては、学校長用、教師用、児童用の質問からなっている。これらを必要な時に応じて利用する。質問の内容としては、校長・教師用の中では例えば、「共働」に関する視点から作られる質問がある。児童用の中でいうと、「教授行為」に関する質問などがある。具体的には、「先生は新しい計算問題の説明の時、たくさんの例をくれる」という質問や、「先生は、私がどのように計算問題を解いたか、よく尋ねてくれる」という質問などがある。そして、これらの質問により集まった評価を二重チェックすることにより、平均値だけでなく、意見のばらつきも示す。そして、児童間、児童と教師など、同じ立場・違う立場で評価の分かれた事項を話し合いの場に持ち込み、検討することを可能にした。これはオランダの「教育の自由」という概念に則った学校の改善につながる。つまり、評価結果を特定の目標に向かって改善するだけでなく、学校の状況に応じて、自由に幅広い改善案を考えることができ、質の管理に繋がるのである。 学校の自己評価の重視
第三者的目線からも客観的に学校が評価されるように教育監査がある。大きな目的としては教育の質を保証するということである。これにより学校の内部評価と外部評価が可能になる。オランダでは、「教育の自由」を守りながら、教育の質を保つうえで重要なこととして、内部評価に分類される学校の自己評価が重視されてきた。これがどのくらい重視されているかというと、学校の内部で適切に評価された質については、監査により再び調査するべきではないと考えられるほどである。
参考文献:「教育の自由と学校評価~現代オランダの模索~」 著者:奥村好美 発行所:京都大学学術出版会