フィンランドの教育
出典: Jinkawiki
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北欧諸国では、質の高い平等な教育を目標として掲げており、公的資金での負担による基礎教育制度を確立させることを重要としている。その中でもフィンランドでは、教育を受ける権利は基本的権利の一つとなっている。現在のフィンランドの政府による教育政策に関わる計画では、「創造性」「専門的知識・技能」そして、「高い教養レベル」が必要であるとされている。また、教育の発展計画では、以下のことに重点が置かれている。 1.教育に対する平等な機会の保証 2.教育と研究の高い質の確保 3.高い専門的知識・技能を有する労働力の確保 4.大学と職業専門大学の発展 5.優秀で高い専門的知識・技能を有する教育者の確保 これらの目標は、教育の質の向上というところにある。中でも障害や病気などの特別な支援が必要な生徒や、学力不足な生徒を特に発展の対象としている。そのために、生徒指導や学校を利用した放課後の活動、教員の指導なども重大な課題としている。そのようなフィンランドの教育制度は以下のようなものである。 1.教員は学ぶことと教えることを職業とする専門家でなければならない 2.教員は担当する科目や分野における高度な知識を必要とする。 3.教員という職業には広い社会的・道徳的視野が必要とされる 4.教員には仕事をする上での実践的能力が必要とされる フィンランドの生徒たちが学業において優秀な成績を収めているのは、教員が修士号を取得しているという特徴があることが理由の一つとなっている。こうしてみてもわかるように、フィンランドの教育に関してみるときに最も重要なこととして教員の問題が挙げられる。 このような教育環境にあるフィンランドの生徒たちは、OECDが三年に一度実施するPISA調査で、数学的能力が加盟国トップクラスとなる成績を収めている。その上、生徒間の点数のばらつきというものは非常に少なくなっている。また、読解能力に関しては加盟国第一位の成績を収めている。同じように、科学的能力、問題解決能力も最高レベルを示している。以上のように、フィンランドの生徒たちはPISA調査でみると成功を収めていることが分かる。しかしこのことからは同時に、顕著なトップクラスの生徒が学校から欠けているという問題点もみえてくる。 フィンランドでは持続可能な発展を目指す10年計画というものも実施されている。今、持続可能な発展を目指すことは全世界共通で必要とされている。その中でもフィンランドは環境教育ということを重視してこの発展の計画を進めている。この環境教育に必要とされる活動が様々なレベルにおいて実施されるよう、国家教育委員会や政府機関、市民団体、教員が知恵と力を合わせている。そしてすべての学校がそれぞれの環境教育計画を作ることを求められ、以上のような形で、持続可能な発展を目指す教育が行われている。
参考文献:「北欧学のすすめ」 編著者:東海大学文学部北欧学科 発行所:東海大学出版会